“いのち”も制度によっては金次第
何かを「買う」というのは、きわめてよくあることです。映画のチケットを買う、化粧品を買う、高額なものでは自動車を買う、家を買う――。しかし、医療の場合、実は医療費の支出は家計にとって大きなものであるにもかかわらず、「買う」という感覚がある人は少ないと思います。
これは、正確に言うと、病院や薬局で提供されるサービスや薬剤、情報などを「買う」という行いととらえているかどうかを聞いているのですが、そう思っている人は少ないということです。では、なぜ医療では、「買う」という感覚を持ちにくいのでしょうか?
例えば、何かを「買う」ときには、値段を考えます。買うものの価値と値段を秤にかけて、価値が大きいと思えば「買う」し、小さいと思えば「買わない」ことになります。そして、この決定は、その人のもっているお金の量によっても影響されます。お金持ちならば、多くのものを「買う」し、そうでなければ「買わない」ことがあります。
しかし、医療の場合、医療が扱う「いのち」というものは、人間の存在そのものであるが故に、値段と天秤にかけることができない――という解釈があります。これが、医療において、「買う」という感覚を持ちにくい理由なのです。ただしこの解釈は、一見、正しそうですが、実は間違っています。ショッキングな話ですが、「いのち」も金次第のところがあるのです。

その一例が米国。この国では、そもそも医療保険の制度が日本とは異なっています。簡単に言えば、国民全員が医療保険に強制加入している日本とは異なって、医療保険に加入していない人がいるのです。そして、こういった人たちにとっては、すぐに病院に支払えるお金が手元にないと医療が受けられません。つまり、「いのち」は買うものなのです。
米国のような状況では、医療を「買う」値段もきわめて重要になりますし、買うものの価値と値段を秤にかけることになります。
幸いなことに、今の日本では、お金と価値を考えないで医療を買える人が多いのですが、もし日本でも、受けられる医療が、値段が高ければ良いものであったとすればどうなるでしょうか?
その場合、二つの可能性が考えられると思います。一つは皆が値段の高い病院を受診するようになること、もう一つは、値段が高いが故に、いい医療を受けることができない人が出てくる可能性です。
※「いい病院ほど、値段は高い?」(その2)は9月29日号に掲載予定です。

■「nikkeibp.jp健康」9月15日号:その他の最新記事
・健康プラスα:「虫よけ剤」を子どもに使うときの注意は?
・健康プラスα:有名シェフが伝授する健康レシピ---秋ナス編:三國 清三さん(オテル・ドゥ・ミクニ)の「ナスの簡単ラタトゥイユ」
・健康プラスα:糖尿病治すなら“塀の中”!?
・健康注意報:寝不足も寝すぎも、血糖値を高くする?
・目の健康講座:うっとうしい“ものもらい”の予防法
・漢方早わかり:動悸や息切れに「柴胡加竜骨牡蠣湯」
過去アーカイブ 最新記事 画面先頭に戻る
- 「今までにないタイプのSQLインジェクション」、ゴルフダイジェストへの不正アクセス (17:28)
- 4月改編の反動か!秋の新バラエティで同時多発的に起った異変 (17:26)
- BMWJ、最新ナビと新iDriveを全モデル標準装備した「ニュー BMW 3シリーズ」 (17:26)
- TGS2008特報:今年のスクエニブースは、マイクロソフトブースとの連携に注目 (17:24)
- 本気で持ち歩く人のためのミニノート「FMV-BIBLO LOOX U/B50」 (17:24)
- TGS2008特報:FF20年の集大成、『ディシディア ファイナルファンタジー』 (17:23)
- TGS2008特報:女性からマニアまで楽しめる『シドとチョコボの…』ほか (17:23)
- トマム「山頂駅の雲海」事件 第1幕 (17:07)
- 松本引越センターが破産手続きへ、事業継続を断念 (15:47)
- 森永卓郎:今まさに瓦解する市場原理主義 (15:35)

