一夜漬けは「徹夜より、潔く寝る」がコツ

いよいよ明日は試験という晩、一夜漬けに挑んだものの眠気が襲ってきてしまい、どうしようか迷った経験はありませんか。どんなに眠くても、もう少し頑張って起きて一つでも余計に覚えた方がいいのか、それとも睡魔にしたがって眠った方がいいのか――、判断に悩むところです。
結論からいうと、この場合、眠ってしまった方が有利といえます。その理由は、眠ることにより、記憶は整理され、記憶の定着が起きることが分かってきたからです。
例えば、徹夜でテストに臨むと、2時間後には70%忘れ、8時間後には90%忘れてしまうという報告があります。逆に、いったん記憶したら一眠りして、それからテストに臨んだ場合、2時間後には50%忘れてしまいますが、その後の記憶の減り方に変化はないようです。
米国のハーバード大学で行われた研究でも、ある画像を記憶させ、その当日に睡眠をとったグループと睡眠をとらなかったグループを比べると、4日目の検査で、1日目に眠ったグループの方が成績がよかったという結果が得られています。
こうした研究から推測されるのは、睡眠には、脳を休ませるだけでなく、もっと積極的に、脳に入ってきた情報を整理し、記憶を鮮明にする働きがある――ということです。つまり、試験前日に徹夜するよりも、ある程度勉強したら寝てしまう方が、脳の中での知識の整理につながるというわけです。

また脳には、以下のような「干渉効果」という現象があるため、一夜漬けの効果を高めるためには、記憶したいこと以外、余計な情報を入れないようコントロールする必要もあります。
暗記したものは、まず短期記憶をつかさどる脳の「海馬」という部分に入っていきます。海馬はどんな情報もどんどん取り入れていきますが、一方で、記憶を大量に貯めておくことができないため、入れては捨て――を繰り返しています。このため、ずっと起きていて、他の勉強をしたり、テレビを見たりなどすれば、一夜漬けで覚えた記憶など、すぐに新しい記憶に入れ替わってしまうのです。
つまり、全部暗記できていないからといって、いつまでもぐずぐず起きていると、かえって余計な情報が入ってきて、成績は悪くなってしまうというわけです。
しっかり勉強して記憶したら、潔く寝る――。これこそが、短期決戦のコツといえます。もっとも、切羽詰った記憶には限界があります。やはり、普段からの努力が大切なのはいうまでもありません。

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