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疲れ目にブルーベリーより「カシス」 (05/08/11)

2005年08月05日

 「ブルーベリーは目の疲れなどに効くらしい」――。こんな話を耳にしたことのある人は少なくないだろう。ブルーベリーは、疲れ目の解消や視力の改善によいとされ、健康食品にも取り入れられている。欧州では、ブルーベリーエキスを医薬品として承認している国もあるという。



 ところが最近、同じベリーの仲間で、ブルーベリーと似た黒紫色の濃い色をしたカシスの方が、実は眼精疲労の改善効果が高いという研究結果が報告され、注目を集めている。



 ブルーベリーやカシスのこうした目に対する作用は、赤紫色の色素成分、「アントシアニン」の働きによると考えられている。アントシアニンは、健康効果が高いことで知られる「ポリフェノール」の一種。ポリフェノールには、体内の有害な活性酸素と結びついて、細胞や遺伝子が傷つけられるのを防ぐ“抗酸化作用”がある。



パソコン作業による視力低下を改善

 パソコン作業などで長時間近くを見ていると、水晶体の屈折率を調節し、見たい対象物にピントを合わせる働きをする「毛様体筋」の緊張状態が続く。すると、毛様体筋の一時的なけいれんが起こり、屈折率の調節機能が低下してしまう。目の筋肉が疲れてしまい、一時的な近視状態になるわけだ。



 こうした目の疲れが、カシスやブルーベリーを含む飲料を飲むことで変化するかどうか調べたのが、医療コンサルタント事務所YN Medicalを主催する眼科医の中石仁氏らの研究だ。



 これは、弱い近視である10人(平均年齢28.4歳)を対象に行ったもの。同量のアントシアニン(40mg)を含む、カシス飲料かブルーベリー飲料、もしくはアントシアニンを全く含まない飲料(プラセボ)を飲んでもらった後、2時間のパソコン作業を行い、作業後に目の屈折値の変化を調べた。



 研究の結果、プラセボおよびブルーベリー飲料を飲んだグループでは屈折値が低下したのに対し、カシス飲料を飲んだグループでは、同じ作業を行った後にもかかわらず、屈折値が明らかに改善していた(図)。つまり、カシスは、ブルーベリーに比べ、一時的な近視状態を明らかに改善する作用があったというわけだ。



カシス特有の成分が筋肉の緊張に効く

 同じベリーの仲間で、なぜこのような違いが生じるのだろうか。実は、アントシアニンには植物ごとにさまざまな種類があり、作用もそれぞれ異なるとみられている。



 例えば、カシスに含まれるアントシアニンの半分近くを占める「デルフィニジン-3-ルチノシド」という成分は、ブルーベリーなどには全く含まれない特有の成分。



 この成分には、末梢血管の血流を改善する作用があるため、目の筋肉の緊張も緩和するとみられている。実際、ウシの毛様体筋を使って行われた実験では、デルフィニジン-3-ルチノシドの添加によって、毛様体筋の緊張が緩やかに、かつ持続的に緩和されることが確認された。



 一方、ブルーベリーが眼の疲れに効く仕組みは、カシスと異なっているようだ。



 人は網膜にある「ロドプシン」という色素が、光による刺激で分解・再合成される過程で、物の存在を認識している。目が疲れてくると、この過程の感受性が鈍くなってくる。ブルーベリーに含まれるアントシアニンには、ロドプシンの再合成を早める働きがあり、これが目の疲れを取るといった好影響につながっているとの報告がある。



 カシスは生で食べるよりも、ジャムやリキュールに加工されることが多い。一般的にポリフェノールの仲間は熱に強いため、加熱してもあまり効果に影響はないとみられている。



(小又 理恵子=健康サイト編集)



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