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「苓桂朮甘湯」はめまいの特効薬

2005年07月25日

 「立ちくらみがする」、「なんとなく体がふらつく」、「目がぐるぐる回る」――。めまい発作は、人によって表現が違うものだ。



 めまいは、平衡感覚をつかさどる内耳の前庭神経系が障害されて起こる。原因となる病気には、内耳炎、メニエール病、一過性の脳虚血発作、脳梗塞(のうこうそく)、高血圧、低血圧などがある。そのほか、更年期障害、過労、ストレスなどによっても、めまいが生じることがある。



 しかし、めまいに関する正確な診断は難しく、色々な検査を行っても、病名がはっきりしないことも少なくない。



 漢方医学では、めまいを「眩暈(げんうん)」、「目眩(もくうん)」、「目眩(もくげん)」と三つに分けて表現する。そして、体液の代謝や分布の異常である「水毒」や、血のめぐりの悪い「お血」により気が高ぶって、めまいが起こると考える。中では最も水毒を重要視しており、水の代謝をよくする漢方薬が使われる。



診断のつかないめまいには漢方も念頭に



 以前からめまいの特効薬といわれているのが「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」である。起立性のめまい、いわゆる立ちくらみや、体がぐらぐら揺れるような感覚などが起こったときによく使われる。腹部が軟弱で、尿の出も悪く、胃内に水がたまっている人が対象となる。



 この漢方薬には、水の代謝をよくする「朮(じゅつ)」と「茯苓(ぶくりょう)」、さらに冷えやのぼせ、動悸(どうき)などといった気の高ぶりに効果のある「桂枝(けいし)」が含まれている。



 このほか、筋肉が弱く冷え症、貧血気味で疲れやすい人のめまいには、朮と茯苓を含んだ「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」(関連記事:冷房時の冷え症に「当帰芍薬散」)も使われることが多い。女性に使われることが多いが、男性にも使用する。



 低血圧、高血圧、自律神経系の障害、メニエール病によるめまいには、「真武湯(しんぶとう)」が用いられることが多い。腹部は軟弱で振水音がある人、手足が冷えて疲れやすく血色が悪い人、下痢をしやすい人などによく使う。



 めまいのほかに、ささいなことが気になって気分が沈んだり、精神不安があるときには、「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」を使う。また、日頃から胃腸の働きが悪く、めまいのほかに頭重感、頭痛があるときには「半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)」を使う。



 検査を受けても診断がつかないめまいがある場合、医師と相談して漢方薬の治療を試みるのもよいかもしれない。



(天野 宏=医療ジャーナリスト)





イラストレーション/川崎のりこ(PLUM GRAFIX



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