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健康注意報:90年まで大量輸入されていた“石綿”の健康被害 (05/07/28)

2005年07月25日

 建材や自動車部品などに使われてきた「アスベスト(石綿)」による健康被害の報道が急増しています。石綿が問題になっているのは、何らかの原因で空気中に飛散した石綿を人が吸い込むと、がんの一種の「中皮腫」や「肺線維症(じん肺)」、「肺がん」などを発症するリスクが高まるからです。



 石綿は、「繊維状けい酸塩鉱物」という鉱物の一種です。耐熱性に優れ、安価な工業材料であったため、断熱材や防火機能を持つ石膏ボードなどに広く使われていました。日本石綿協会の統計によると、1970年から1990年ころにかけて、日本では年間約30万トンもの石綿を輸入したとのことです(図)。これらの石綿の大部分がビルなどの建築物に使われていたと推測されます。





 また1975年までは、一般家屋でも、保温の目的で壁などに石綿とセメントを混合したものを吹き付ける「吹き付け石綿」が行われていました。産業医学総合研究所などによる「左官用モルタル混和材中の石綿含有率の測定方法等に関する検討会の報告書」( http://www.jaish.gr.jp/horei/hor1-45/hor1-45-27-1-3.html)によると、左官工事などで使われる「モルタル」の中で“無石綿”や“ノンアスベスト”と表記のある製品の中にも相当量の石綿が使われていたそうです。



 経済産業省がこの7月、石綿製品の製造業者など89社に対して行ったアンケート調査の結果によれば、7月13日時点で、石綿による健康被害による死亡者は27社から計374人、療養中の従業員などは、12社から計88人報告されています。



 これら462人のうち、207人(44.8%)がじん肺、127人(27.5%)が中皮腫とのことです。じん肺は肺が繊維化してしまう病気の1つです。職業上、石綿粉じんを10年以上吸入した労働者に起こると言われています。潜伏期間は10〜15年で、石綿の曝露が無くなった後でも進行することがあります。そして、治療法はまだ見つかっていません。



 一方、中皮腫は、肺や心臓などの臓器を覆う膜の表面「中皮」に発生する腫瘍のことです。良性のものと悪性のものがあります。若い時期に石綿を吸い込んだ人の方が「悪性中皮腫」になりやすいと言われています。



 悪性中皮腫の潜伏期間は20〜40年ですが、進行が早く、予後の悪い病気です。現在決め手となる治療法はなく、外科手術や放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)などが行われます。



 現在のところ、どの程度の量の石綿を、どのくらいの期間吸い込むと中皮腫になるのかについては分かっていません。また中皮腫は、ある程度病気が進行するまでは無症状のことが多いと言われており、早期診断が難しいのも問題です。



(健康サイト編集部)



〔参考サイト〕

環境省:石綿(アスベスト)についてQ&A

http://www.env.go.jp/press/file_view.php3?serial=6995&hou_id=6187

国立がんセンター:中皮腫

http://www.ncc.go.jp/jp/ncc-cis/pro/cancer/020309.html

経済産業省:アスベストによる健康被害の実態調査の結果について

http://www.meti.go.jp/press/20050715005/20050715005.html



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