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夏バテ対策にカレー粉の“抗酸化作用” (05/07/28)

2005年07月25日

 暑い夏は、自然と食欲も低下しがち。しかし、冷奴やそうめんといった口当たりがよく冷たいものばかり食べていては、冷えすぎで胃腸も弱り、夏バテが心配。そんなとき、積極的に役立てたいのが、カレーなどによく使われる“スパイス(香辛料)”だ。



 スパイスは、乾燥させた植物の葉や種、根などを指すが、現在、製品として売られているものだけで80〜90種類にも上るという。広く知られている“コショウ”や“トウガラシ”のほかにも、たくさんのスパイスがある。しかも、スパイスの歴史は紀元前までさかのぼることができ、ローマ帝国が滅びたのも、当時は貴重品だったコショウをめぐる争奪戦が原因と言われているという。



 スパイスを単なる食卓の脇役だと侮ってはいけない。スパイスには、体を温めて胃腸の働きを整え、食欲を増進させる働きがある。全身の新陳代謝を良くするため、燃焼するカロリー量が増え、なんと減量効果も期待できるのだ。



注目されるターメリックの強い抗酸化作用

 実は最近、スパイスには「抗酸化作用」もあることが分かってきた。これは、体内のDNAを傷つけたり、がんや老化をもたらす有害な活性酸素と結びついて、活性酸素の害を防ぐという作用だ。



 「抗酸化作用」といえば、赤ワインなどに含まれるポリフェノール類が有名で、あまりスパイスというイメージはないかもしれない。しかし、“ニンニク”や“ショウガ”、“シソ”などには、がん予防の可能性があるとされている。また、“ワサビ”や“マスタード”は、食品の酸化を防ぎカビの繁殖を抑える防腐・抗菌効果があることが知られている。





 さまざまなスパイスが入っているカレー粉にも、カレールーに含まれる油脂の酸化を防ぐ効果がある。特に強い抗酸化力が注目されているのは、カレー独特の黄色い色を作り出すショウガの仲間、“ターメリック(ウコン)”に含まれる、“クルクミン”という成分だ。



 名古屋大学大学院生命農学研究科教授の大澤俊彦氏の研究によれば、クルクミンは体内で非常に強力な抗酸化力のある“テトラヒドロクルクミン”に変換され、活性酸素を除去した後に“ジヒドロフェルラ酸”という安全な化合物になって代謝されるという。



 クルクミンやテトラヒドロクルクミンの作用について、培養細胞を用いて調べた実験では、白内障やがんの予防効果とともに、老化の予防作用があることも明らかになったそうだ。特にテトラヒドロクルクミンは少量でも強い抗酸化作用が期待されている。まだ詳しい生理作用は研究段階だが、人工的に合成できるかどうかについても、検討が進んでいるという。



スパイスも取りすぎは禁物

 なお、スパイスの持つ基本的な働きは「色」「香り」「辛味」に分けられる。こうしたスパイスによる独特の刺激は、口にしたときに五感に強く感じられるので、塩や砂糖といった、いわゆる調味料の量を抑える効果がある。



 現在、日本人の1日当たりの食塩摂取量は平均12〜13グラムとみられている。今年発表された「日本人の食事摂取基準」では、この量を10グラム未満にするよう求めている(関連記事:“11種”の栄養素が生活習慣病予防のカギ)。味付けにスパイスを上手に利用すれば、塩分を控えることができ、ひいては生活習慣病予防につながるとも考えられる。



 ただ、気をつけたいのは、スパイスの取りすぎによる悪影響。例えば、甘い香りがあり、ドーナツやプディングなどに使われる“ナツメグ”というスパイスを取り過ぎると、一種の幻覚症状が出るといった説もある。やはり食生活はバランスが大切。一つの種類のものを大量に取りすぎるのは、あまり健康によいとはいえない。



 夏場は汗をかくため、ビタミンやミネラルも不足しがち。普段よりも栄養バランスには気を配りたい。胃腸の機能を回復させ、夏バテを防止するためにも、料理の引き立て役であるスパイスをもっと積極的に、毎日の食卓に取り入れてみてはどうだろう。



(小又 理恵子=健康サイト編集)



イラストレーション/川崎のりこ(PLUM GRAFIX



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