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肥満ぎみの人は“危ないイビキ”に注意 (05/07/14)

2005年07月11日

 あなたは家族から、「イビキがうるさい」といつも嫌がられてはいないだろうか。



 イビキは、鼻からのどにかけての空気の通り道である“気道”が狭くなることによって起こる。気道が狭くなる原因にはいろいろあるが、圧倒的に多いのは肥満だ。



 通常、人は仰向けの状態で横になると、舌の根元の部分がのどの奥の方に沈むため、気道は狭くなる。また眠っている間は、のどの筋肉も緩むので、気道はさらに狭くなる。つまり、寝ているときは誰でもイビキをかきやすい状態にあるのだが、太っている人の場合、舌の根元の部分やのどにまで脂肪がついているため、気道は一段と狭くなる。この結果、大きなイビキを発しやすいというわけだ。



 もっとも、ただイビキをかきやすいだけなら、周囲の人の安眠妨害の原因になるくらいだろう。しかし、もしあなたが肥満ぎみの中年男性で、激しいイビキの常習者であり、昼間の眠気が強いようならば、一度専門医を受診し、睡眠検査を受けることが勧められる。というのも、そのイビキは、危ないイビキの可能性があるからだ。



働き盛りを中心に患者は推定200万人以上

 ここでいう危ないイビキとは、「睡眠時無呼吸症候群」のこと。日本では、働き盛りの中高年男性を中心に、200万人を超える患者がいると推定されている。2年ほど前、山陽新幹線で居眠り運転をした運転士が睡眠時無呼吸症候群と診断されたため、一躍注目を集めるようになった疾患といえば、思い出す人もいるだろう。





 睡眠時無呼吸症候群が問題になるのは、眠っている間に何回も呼吸が止まってしまうからだ。「イビキが突然止まっている」と奥さんに言われたことのある人は要注意。実は、イビキが止まっているときには、同時に呼吸も止まっていることが多いからだ。



 眠っているときに10秒以上呼吸がない状態を「無呼吸」というが、一般的に、1時間に平均5回以上、あるいは一晩の睡眠中(約7時間)に30回以上の無呼吸がある場合、睡眠時無呼吸症候群と診断される。



 患者の中には、1回に1分や1分半もの長い間、呼吸が止まるような人もいるという。もちろん、呼吸が止まったからといって、そのまま窒息することはない。しかし、無呼吸の状態が生じることにより、血液中の酸素濃度が低下するのが重大な問題なのだ。



 体内が酸欠状態になると、心臓や血管系に負担がかかる。このため、この病気の患者では、高血圧や心筋梗塞、脳血管障害などの合併症のリスクが高くなることが知られている。最近では、睡眠時無呼吸症候群の患者の4割以上が胃食道逆流症を合併している、との調査結果も報告されている(MedWaveの関連記事)。



 また患者の中には、夜間は十分に眠っていると思い込んでいる人も少なくないが、無呼吸状態により、夜間に何度も睡眠が中断するため、実は深い睡眠が取れていない。これが、日中の異常な眠気の原因になる。



 新幹線運転士の居眠り運転の例もあるように、睡眠時無呼吸症候群は事故の原因になったり、仕事の能率が低下するなど、社会的な影響も大きい。睡眠を十分とっているはずなのに、日中のだるさや我慢ならないほどの眠気に心当たりがある人は、是非検査を受けてみたらいかがだろうか。



 睡眠時無呼吸症候群と診断されたら、適切な治療を受けることが、昼間の眠気の改善や、合併症の予防のためにも重要だからだ。



(瀬川 博子=健康サイト編集)



イラストレーション/川崎のりこ(PLUM GRAFIX



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