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あなたの肥満はどの遺伝子タイプ!?

2005年06月17日


 肥満には、生活習慣だけでなく、遺伝的な要因も関係する──。人の遺伝子の中には肥満に関連する遺伝子、いわゆる“肥満関連遺伝子”が存在することが最近の研究により明らかになってきた。




 この遺伝子があると、エネルギーの代謝などに影響するため、肥満関連遺伝子がない人に比べて太りやすくなったりする。人では現在、50を超える肥満関連遺伝子が報告されている。



内臓脂肪型や皮下脂肪型も遺伝子タイプで違う!?




 50以上もある肥満関連遺伝子だが、日本人の肥満に関係しているのは主に3つの遺伝子であることが吉田俊秀氏(京都府立医科大学臨床教授、京都市立病院糖尿病・代謝内科部長)らの研究により分かってきた。その中で最も多いのが「β3アドレナリン受容体(β3AR)」の遺伝子の変異で、日本人の約34%がこの遺伝子タイプを持っているという。




 β3ARは脂肪組織などに存在し、そこに蓄えられている中性脂肪を分解する役割を担っている。体がエネルギーを必要とすると、アドレナリンというホルモンの一種が副腎などから分泌される。アドレナリンがβ3ARに結合すると、その刺激を受けて中性脂肪が遊離脂肪酸とグリセロールに分解され、血液中に放出される。




 つまり、β3ARは一種のスイッチとして働くわけだが、β3ARの遺伝子に変異がある人では、この機能が低下しているため、アドレナリンが分泌されても中性脂肪の分解がスムーズに行われない。脂肪の分解が抑制されるわけなので、その結果、1日の基礎代謝(何もしないで消費するカロリー)が平均200キロカロリーも減少するという。




 ちなみに、ご飯1杯(140g)はおよそ235キロカロリーほどなので、この分、余分に食べている状態と考えれば分かりやすい。β3ARの遺伝子に変異を持つ人は、内臓脂肪がつきやすく、糖尿病の発症リスクも高くなることが分かっている。




 次に多いのが、「脱共役たんぱく質1(UCP1)」の遺伝子に変異を持つ人だ。吉田氏によると、この遺伝子タイプを持つ人は日本人の約25%を占めている。




 UCP1は細胞の中にある「ミトコンドリア」という小器官の中に存在するたんぱく質。特に「褐色脂肪組織」と呼ばれる部位のミトコンドリアに多く存在する。UCP1が活発に働くと、中性脂肪が分解されてできる遊離脂肪酸をミトコンドリア内で燃やしてしまう。




 しかし、この遺伝子に変異を持った人では、UCP1の機能が低下するため、やはり1日の基礎代謝が平均100キロカロリー程度減少するという。また、この遺伝子タイプの人は、内臓脂肪よりも皮下に脂肪がつきやすいとされる。




 最後が、「β2アドレナリン受容体(β2AR)」の遺伝子の変異によるもの。ただし、これは“太りにくい”というタイプ。吉田氏によると、この遺伝子タイプを持つ日本人は約16%いる。太りにくいのは、普通の人に比べて基礎代謝が平均300キロカロリーほど高いためだ。



肥満関連遺伝子の検査サービスも出てきた




 最近は、自分がどのタイプの肥満関連遺伝子を持っているのか、調べてくれる検査サービスも出てきた(関連記事:“肥満遺伝子”をチェックして、適切な食生活をアドバイス)。いくつかの業者があるが、どれも費用はおよそ3万円前後ほどかかるようだ。




 肥満関連遺伝子の検査キットを取り寄せたら、同封された綿棒で口腔内をこすって細胞を採取し、日常の生活習慣などについて記入した用紙と共に業者に送る。業者は細胞から肥満関連遺伝子のタイプを調べ、検査結果とともに、体質や生活習慣に合わせた食事や運動についてのアドバイスなどを郵送してくれるというものだ。



(田村 嘉麿=健康サイト編集)



〔参考文献〕
日経バイオビジネス 2005(1):44;38-40.
日経メディカル 2000(1):386;68-79.
佐藤芹香:マトリックスダイエット ; ソフトバンクパブリッシング 2004.






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