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働き盛りを襲う腰痛・下肢痛の漢方

2005年03月25日


 ビジネスパーソンの中には、管理職になって外出する機会も減り、長時間の会議などでいすに座ったままの業務が多くなった結果、腰痛に襲われる人もいるだろう。




 腰痛に悩む人は多く、生涯のうちに一度は経験するといわれている。腰痛は、20歳を超えるころから見られ始め、加齢とともに増え、その数は30代、40代になると一段と多くなる。




 しかし、一口に腰痛といっても、痛む部位が臀部や下肢とはっきりせず、痛みも鈍痛でしびれを伴うものから、大腿部のうしろから足の先まで痛みが走る坐骨神経痛を伴うものもある。




冷えや水分代謝異常、血液のうっ滞などに応じて選択






 腰痛の原因には、体を支えている脊椎に何らかの変化が起きたり、腰椎の骨と骨の間にある椎間板が弱くなったり、脊椎の周りの筋肉や靱帯が炎症を起こす――などいろいろある。脊椎に異常があれば、X線検査などで「変形性脊椎症」、「椎間板障害」、「椎間板ヘルニア」などと診断され、それに適した治療が行われる。




 西洋医学では、腰痛症の場合、炎症や痛みなどの症状に応じて多くのケースでは、消炎鎮痛薬が用いられる。一方、漢方では、西洋医学のように病名にこだわらずに治療する。痛みは冷えや水分代謝異常である「水毒」、血液がうっ滞しておこる「お血」によると考えて、それに応じた薬を選んでいく。




 急激な痛みが出現し、筋肉に強い緊張があるときは、「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」が用いられる。




 また、のぼせがあり、顔色が赤黒く「お血」による腰痛と考えられるときには「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」が、赤ら顔で便秘がちな「お血」体質の腰痛には「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」が使われる。




 腰の痛みだけではなく、何となく足に力が入らない、夜間頻尿、時に足底にほてり感があり、下肢筋力が低下している人の腰痛には、「八味地黄丸(はちみじおうがん)」が使われる。初老期以降の高齢者によく使われる薬だが、若い人でも胃腸が丈夫で、口乾、口渇があり全体として冷え症、便秘傾向の腰痛であれば、八味地黄丸が対象となる。




 体力が中等度で、腰部から下肢に痛みがあるときには、「疎経活血湯(そけいかつけっとう)」があり、「お血」と「水毒」を兼ねた病態に用いられる。このほかにも「五積散(ごしゃくさん)」、「通導散(つうどうさん)」が症状によって使われる。腰痛に漢方薬をうまく組み合わせて対応するのも一つの方法である。



(天野 宏=医療ジャーナリスト)





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