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Webマーケティングの近未来 第25回〜ブログビジネスサミット in シアトル(その2)

2005年2月4日

ブロガーからRSSのプロモーションを


(織田浩一=デジタルメディアストラテジーズ社代表)


前回に引き続き、シアトルで1月24日、25日に行われたブログビジネスサミットについてお伝えしたい。前回は、アルファブロガーでありマイクロソフト社員でもあるRobert Scoble氏のキーノート講演について解説したが、今回は、いくつか参加したものから気になったセッションについて簡単にお話したいと思う。


ブログ・ビジネスモデル


Macromediaの前身であるMacroMindの創始者としても知られるMarc Canter氏と、100万人以上の購読者をもつテクノロジー情報メルマガ・サイトを運営しTechTVのホストでもあるChris Pirillo氏によるセッションである。


まずCanter氏は、ノンプロフィット会社であるOurmediaについて解説した。この会社は、リッチメディアコンテンツとブログのインフラストラクチャーとしてサービスをフリーで提供しながら、そのコンテンツの「クリエイティブ・コモンズ」によるライセンス契約のレイヤーをサービスとして用意している。商業用の使用に関しては課金するというサービスなのである。すでに、米Yahoo!やオンラインフィルムサイトAtomFilmsなどが提携しているという。


一方、Pirillo氏によるプレゼンテーションは、「メルマガの終わり」と「RSSによる代替」の話から始まった。合計100万人以上の読者を持つメルマガを運営するためには、以前なら内容のクオリティに力を入れれば良かった。しかし今では、大半の作業がISPのスパムフィルターのために読者に届かず無駄になってしまう。その結果、スパムフィルター対策やこのメルマガが適正なものであることを保証する機関への登録業務などに追われているという。「RSS」と書かれたバッジをステージから降りて配りながら、メルマガに代わってRSSが普及する理由を解説。「ブロガーからRSSのプロモーションを」と訴えていた。彼の収益モデルはGoogle AdSenseやその他のコンテキスト広告を使用したの、特定のセクションのスポンサーシップを取るものだという。


企業ブログの戦略とガイドライン


このセッションで最も興味深かったのは、マイクロソフトが作った社員への「ブログ・ガイドライン」である。社員がブログを使うことを積極的に勧めているが、事前にこのガイドラインを参照するように言われている。



1. 雇用の契約内容に守秘義務があることを忘れない。

2. ニュースを発さない。守秘情報は公開しない。

3. 読者からの情報などは、著作権・特許などの絡みもあるので取り扱いに注意。

4. 前にいた会社に敬意を払い、その情報を書く際には気をつける。

5. 自分自身が誰で、マイクロソフトで働いていることを公開する。

6. 企業責任の問題もあるので、サポートやアドバイスをする時には注意が必要。

7. 個人の意見として公開。

8. 「Post」のボタンを押す前に、どのような反響があるかを考える。


一言でまとめると「賢明なブロガーであれ」ということであろう。


ブログビジネスサミットは、全体的には「トラックバックとは?」、「Atom(RSSを発展させた新たなフォーマットの策定プロジェクト)とは?」、といったような初歩的な内容も多く、個人や政治のブログの普及を見て企業ブログを作りたいと思いはじめた人たちや、ブログを始めた個人が次の段階としてビジネスにして行くにはどうすべきか、という幅広いレベルの内容となっていた。サミットはオーディトリアムで行われ、おそらく参加者は150人程度と思われる。


興味深かったのは、キーノートも含めてすべての講演でQ&Aが多くの時間を占めていたこと。また、聴講者の意見も頻繁に発せられたこと。ブロガーは、やはり自分の意見を発したい人たちで、また、ステージ上の講演者もそのようなインタラクティブなやり取りに慣れていると感じさせた。こうした対話を続けられるスキルがトップブロガーには求められているのではないだろうか。


会場では、セッションの様子などをブロガーが書けるように、ワイヤレスWANが導入され半数以上がラップトップを持っていたが、多くのコンベンションで見られるWindows一辺倒というのではなく、3割程度がMacであった。デザインあるいは文章を書く仕事から、ブログの世界に入ってきた人たちが多いのではないかと思われた。



■参考情報

Blog Business Summit


■「Webマーケティングの近未来」の過去記事一覧はこちら


■織田(おりた)浩一氏のプロフィール

デジタルメディアストラテジーズ社代表、アドイノベーター編集長。 米シアトルを拠点とし、欧米の新広告手法・メディアテクノロジー・IT調査・コンサルティングサービスを提供。2月25日のWeb広告研究会のフォーラムではキーノート講演を行うことになっている。コメント、質問はemail@adinnovator.com へ。ブログは、http://www.adinnovator.com/


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