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“適正飲酒”してますか? 解説

2004年12月08日


 アルコールは、水にも油にもよく溶けるため、体内に非常に吸収されやすく、神経系を含む全身に直接作用します。




 肝臓への影響は、まず肝細胞に脂肪がたまる「脂肪肝」から始まります。脂肪肝そのものは可逆性の病態とされており、この段階でお酒の量を減らしたり止めたりすれば、肝臓の機能は回復します。




 しかし、さらにお酒を飲み続けると、約20%の人は「アルコール性肝炎」を起こします。黄疸や発熱、嘔吐、下痢などの症状がみられますが、無症状の場合もあります。一部の人は「重症型アルコール性肝炎」になり、お酒をやめてもよくならず、1カ月以内に過半数が死亡するという急激な経過をとります。




 アルコール性肝炎は進行すると肝硬変に、さらには肝臓がんに至ることもあります。日本ではこれまで、肝臓病といえば、肝炎ウイルスの感染者が大半を占めると考えられてきました。しかし、近年、アルコール性の肝炎が増加しているようです。健康診断で脂肪肝が指摘されているうちに、お酒の量を控えるべきでしょう。




 肝臓病のほか、膵炎や、胃腸の出血・潰瘍などが以前からアルコール関連の臓器障害といわれています。また、最近はお酒の飲みすぎによって糖尿病になりやすくなる(ファクトシート参照)といった報告があります。このほか、酔うとすぐ顔が赤くなる、お酒好きの男性では、食道がんの発生率が高くなるという日本での研究結果が出されています。




 心筋梗塞予防に飲酒が効果的という報告(ピックアップ4参照)もありますが、アルコールは心臓の筋肉を傷つけて心臓肥大を招くことが以前から指摘されています。軽度の認知障害を予防するという報告(ピックアップ3参照)もありますが、大量飲酒によって若い頃から大脳の萎縮が進行することも確かです。健康によいという報告に頼りすぎず、ほどほどの飲酒を心掛けてください。




女性の飲酒の増加が問題に




 「アルコール依存症」は、食卓にお酒がないと物足りない、飲まないと気が済まない日がある、などといった、精神的な依存だけではありません。アルコールが常に体内にある状態に体が慣れてしまい、アルコールが体内からなくなると、指先が震えたり、汗をかく、イライラする――などの症状がみられ、身体的にもアルコールに依存した状態のことを指します。治療法としては、一時的な禁酒ではなく、断酒が必要になると考える専門家が多いようです。




 また、最近、問題になっているのが、女性の飲酒の増加です。ここ数年、成人一人あたりのアルコール消費量が横ばいであるにもかかわらず、アルコール性肝障害で入院する女性の数は増えています(ファクトシート参照)




 男性が毎日120g(日本酒約5合)超の飲酒を約20年ほど続けなければ肝硬変を発症しないのに対し、女性は毎日120g未満でも、約10年間ほどの飲酒で肝硬変を発症することが明らかになっています。この理由としては、女性ホルモンが肝臓の炎症反応にかかわっているためではないかと推測されています。




 一方、男性のアルコール性肝障害患者はやや減少する傾向にあるようです。当然、個人差はあるでしょうが、男性の方が適正飲酒を心掛けるようになってきたと言えるのかもしれません。












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・ほどよく飲めば心臓病を予防する
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・Q&A:健診で高血圧を指摘されたのですが、お酒はやめたくありません。

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