このページの本文へ
ここから本文です

酒の効用はあくまで“適量”の範囲

2004年12月06日


 飲酒の健康効果についてのエビデンスは、既に20年以上も前から、さまざまな研究で報告されています。疾患などによっては相反する結果もみられますが、特に心血管系疾患の予防効果は、幾つもの大規模な追跡研究で裏付けが得られています。




 ただし、忘れてはならないのが、いずれも「1日1合前後」の飲酒での話だということ。飲みすぎは禁物です。



飲まない人より、少し飲む人で最も死亡率が低い

全死亡率(すべての死因による死亡率)は、全くお酒を飲まない人よりも、1日34gまでのアルコール摂取量(日本酒では約1.5合)の人の方が低い。しかし摂取量が1日34gを超えると再び死亡率は上昇し、全体では“U字型曲線”となる。もっとも心血管系疾患に限れば、大量飲酒者の方が全く飲まない人よりも死亡率は低い。



1日2〜5杯のワインで心臓病やがんの予防効果

1日あたり2杯(アルコール量21g)以上のワインは、心臓病による死亡率を非飲酒者に比べて30〜39%も低下させる。1日あたり2〜3杯のワインは、がんによる死亡率を20%、全死亡率を30%も減少させる。しかし、1日あたり12杯では、がんによる死亡率は1.6倍、全死亡率は1.4倍に上昇し、全体では“J字型曲線”となる。



ワインは飲んでも痛風になりにくい

アルコール摂取量が月に1杯未満の人が痛風を発症する可能性を1.0とした場合、ビールやスピリッツでは、摂取量の増加に伴い、痛風の発症リスクも上昇する。しかし、ワインだけは1日2杯を超えるまで、月に1杯未満の人よりも痛風の発症率が低い。



やせ型の男性が酒を飲むと糖尿病になりやすい

対象者をBMIごとに分け、飲酒量と糖尿病の発症リスクの関連を調べた。BMIが22以下のやせ型の男性では、飲酒量が1日1〜2合の場合に、糖尿病の発症リスクが酒を飲まない人の約2倍に、1日2合以上の場合は約3倍に上昇した。一方、BMIが22を超えた男性では、お酒の量が増えても糖尿病の発症リスクは変わらなかった。



※BMI(ボディー・マス・インデックス):その人の体重(kg)を身長(m)の二乗で割った数字。日本では25以上が「肥満」と判定される。



酒を飲む女性は20年で倍以上に急増

20年間の変化をみると、男性の飲酒人口は数%しか変わっていないが、女性の飲酒人口は、いずれの年齢層でも2倍以上と著しく増加している。1987年以降の調査がなく、最近の傾向は不明だが、さらに女性の飲酒人口が増えている可能性もある。



アルコールによる肝障害の女性は約2割に増加

アルコール性肝障害で入院する患者数は、ここ数年ほぼ横ばいで推移しているものの、女性の占める割合は約10%から約20%へと増加している。一方、男性は減少する傾向にある。「女性の方が、少ない飲酒量、短い期間で肝硬変になりやすいことと関連しているのではないか」と、永寿総合病院内科副部長の堀江義則氏は推測している。















■「nikkeibp.jp健康」12月9日号:その他の最新記事
・セルフチェック:“適正飲酒”してますか? チェックリスト
・セルフチェック:“適正飲酒”してますか? 解説
・ピックアップ:こんなにある「赤ワインが体にいい」ワケ
・ピックアップ:二日酔いしない飲酒量は計算式でわかる!
・ピックアップ:中年期の軽い飲酒は、軽いボケも予防?
・ピックアップ:適度な飲酒は急性心筋梗塞後にも有効
・お答えします:2005年春はスギ花粉が大量飛散するとの予測ですが、予防薬の内服は必要ですか。



■「nikkeibp.jp健康」過去の関連記事
・ほどよく飲めば心臓病を予防する
・「酒好き」の人ほど睡眠時呼吸障害の危険大
・Q&A:健診で高血圧を指摘されたのですが、お酒はやめたくありません。


ここから下は、関連記事一覧などです。画面先頭に戻る ホームページへ戻る

記事検索 オプション

SPECIAL

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る