酒の効用はあくまで“適量”の範囲
飲酒の健康効果についてのエビデンスは、既に20年以上も前から、さまざまな研究で報告されています。疾患などによっては相反する結果もみられますが、特に心血管系疾患の予防効果は、幾つもの大規模な追跡研究で裏付けが得られています。
ただし、忘れてはならないのが、いずれも「1日1合前後」の飲酒での話だということ。飲みすぎは禁物です。
![]() | 全死亡率(すべての死因による死亡率)は、全くお酒を飲まない人よりも、1日34gまでのアルコール摂取量(日本酒では約1.5合)の人の方が低い。しかし摂取量が1日34gを超えると再び死亡率は上昇し、全体では“U字型曲線”となる。もっとも心血管系疾患に限れば、大量飲酒者の方が全く飲まない人よりも死亡率は低い。 | |
1日あたり2杯(アルコール量21g)以上のワインは、心臓病による死亡率を非飲酒者に比べて30〜39%も低下させる。1日あたり2〜3杯のワインは、がんによる死亡率を20%、全死亡率を30%も減少させる。しかし、1日あたり12杯では、がんによる死亡率は1.6倍、全死亡率は1.4倍に上昇し、全体では“J字型曲線”となる。 | ![]() | |
![]() | アルコール摂取量が月に1杯未満の人が痛風を発症する可能性を1.0とした場合、ビールやスピリッツでは、摂取量の増加に伴い、痛風の発症リスクも上昇する。しかし、ワインだけは1日2杯を超えるまで、月に1杯未満の人よりも痛風の発症率が低い。 | |
対象者をBMIごとに分け、飲酒量と糖尿病の発症リスクの関連を調べた。BMIが22以下のやせ型の男性では、飲酒量が1日1〜2合の場合に、糖尿病の発症リスクが酒を飲まない人の約2倍に、1日2合以上の場合は約3倍に上昇した。一方、BMIが22を超えた男性では、お酒の量が増えても糖尿病の発症リスクは変わらなかった。
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![]() | 20年間の変化をみると、男性の飲酒人口は数%しか変わっていないが、女性の飲酒人口は、いずれの年齢層でも2倍以上と著しく増加している。1987年以降の調査がなく、最近の傾向は不明だが、さらに女性の飲酒人口が増えている可能性もある。 | |
アルコール性肝障害で入院する患者数は、ここ数年ほぼ横ばいで推移しているものの、女性の占める割合は約10%から約20%へと増加している。一方、男性は減少する傾向にある。「女性の方が、少ない飲酒量、短い期間で肝硬変になりやすいことと関連しているのではないか」と、永寿総合病院内科副部長の堀江義則氏は推測している。 | ![]() | |
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