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中年期の軽い飲酒は、軽いボケも予防?

2004年12月06日


 適度に酒をたしなむ人は、循環器系の疾患や癌などの発症リスクや死亡リスクが低いことが様々な研究で明らかになっている。さらに、フィンランドにおける人口ベース研究の結果では、高齢になってからの軽いボケである軽度認知障害についても、中年期の軽い飲酒が予防的に作用していることが判明した。




 この研究によると、軽度飲酒者を1とした場合の軽度認知障害の発症リスクは、非飲酒者、頻繁飲酒者とも2倍を超えたという。スウェーデンKarolinska研究所加齢研究センターのTiia Anttila氏らが報告したもので、英国医師会誌(British Medical Journal)電子版に2004年の8月10日付けで掲載された。




 対象としたのは、1972〜1982年に開始した人口ベース研究「循環器リスク要因と加齢、痴呆に関する研究」(CAIDE:cardiovascular risk factor, aging and dementia)の参加者。このうち、1997年時点で研究対象地域に在住していた存命者の中で、1972年と1977年に参加した65〜79歳の1018人について調べた。




 その結果、軽度(原文ではinfrequent)飲酒者の軽度認知障害発症リスクを1とした場合、性、年齢、教育程度で調整した相対リスクは非飲酒者が2.08、頻繁(原文ではfrequent)飲酒者が2.34でいずれも有意に高く、いわゆる「Uカーブ」の関連が見られた。一方、痴呆については、飲酒の程度との有意な関連性は見られなかった。




 なお、家族性アルツハイマー症の原因遺伝子のひとつとされる機能たんぱく質「アポリポプロテインE4型」(Apo-E4)産生遺伝子保有と飲酒、痴呆発症の関連性を調べたところ、Apo-E4遺伝子を持たない非飲酒者を1としたとき、Apo-E4遺伝子保持者の痴呆発症リスクは、軽度飲酒者で2.3倍、頻繁飲酒者では3.6倍と有意に高く、強い関連性があることが分かった。




 この結果から、Apo-E4遺伝子を持つ人は、積極的に飲酒を控えた方がよいといえそうだ。しかし、Apo-E4遺伝子を持たない人では、飲酒量と痴呆発症に関連性は見られなかった。




 もっとも、Apo-E4遺伝子を持たない人でも、「適度な飲酒量」については注意する必要があるかも知れない。Anttila氏らの定義では、軽度飲酒は「月に1回未満」、頻繁飲酒は「月数回程度」。一般的な日本の飲酒習慣から見ると、Anttila氏の定義する軽度飲酒者は「ほとんど飲まない」部類に入ってしまうからだ。




 Anttila氏によると、「興味深いことに、今回とは異なる飲酒レベルで区切って調査を行っている他の研究でも、同様のUカーブ現象が指摘されている」という。健康効果と適切な飲酒量は、社会的要因や生活習慣により異なってくるのかもしれない。



(中沢 真也=MedWave












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