世界初の「ヘリコプター衛星通信システム」、情報通信研究機構
独立行政法人情報通信研究機構(NICT)は2004年12月2日、世界初の「ヘリコプター衛星通信システム」の開発に成功したと発表した。ヘリから撮影した映像を中継局や中継車を使わず、直接人工衛星に送信するシステム。電波通信条件のよくない災害現場などの状況を、衛星経由でリアルタイムに関係機関に配信することが可能になる。3〜4年後の実用化を目指す。

ヘリコプターから衛星に向かって電波を送信する場合、電波がヘリ自身のブレード(ローター)に当たって周期的に遮断され、また反射した電波が周囲に電波干渉を与えるおそれがある。NICTは、これを解決する技術として、高速回転するブレードのすき間をぬって電波を送信する「アンテナビーム制御システム」を開発した。受信では、衛星から同じデータを何度か繰り返して送ることでヘリに確実に到達させる。
実証実験のシステムには、このほか、ヘリコプターと本部との間のデータ通信機能や、ヘリが揺れても人工衛星の方向を高精度で追尾できる機能、撮影場所の位置を3次元地図で高精度に特定する機能などを搭載した。動画伝送は、MPEG-4規格で384kbpsの準動画伝送に対応する。
人工衛星を使わずにヘリから動画を伝送するには、地形によっては、地上に中継局や中継車を配置しなければならない。だが、ヘリコプター衛星通信システムを使うことで、山や海などで中継設備を置けない場合でも、機動的な災害情報の収集が可能になる。NICTでは、実用化に向けて、小型軽量化やデータ伝送速度アップなどに取り組む。(鴨沢 浅葱=Infostand)
■関連情報
・情報通信研究機構(NICT)のWebサイト http://www.nict.go.jp/
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