薄型大画面テレビ界に「大型新人」、SEDパネル商品化へ
2004年10月に開催された技術系の展示会「CEATEC 2004」で最も注目されたのは、キヤノンと東芝が共同で開発したテレビ用の薄型パネル「SED」だった。展示ブースでは、画面を間近で見ようとする人が長蛇の列を作り、待ち時間は30分を超えた。なぜ、SEDが注目されるのか。それは、大画面薄型テレビ業界の地図を、一気に塗り替える可能性を秘めているからだ。

SEDはSurface-conduction Electron-emitter Displayの略。薄型テレビ市場の大半を占める液晶やプラズマとは、仕組みが大きく異なるパネルだ。液晶は、白い光をカラーフィルターに通して色を表現。プラズマは、気体を光らせ、その光に反応する蛍光体で色を出す。対して、SEDはブラウン管に近い。ブラウン管と同様、RGB(赤緑青)の蛍光体に電子線を当てて画像を表示するのだ。
ブラウン管の場合、電子線はRGBそれぞれに1本。計3本の電子線が画面上を連続的に走査する。蛍光体はシャドウマスクやアパチャーグリルと呼ばれるワイヤーで区切られ、独立した画素として見える。これに対して、SEDは電子線を発する電子源を「画素の数×3色分」用意。これにより、ブラウン管に不可欠な偏向ヨークを不要にした。偏向ヨークとは、画面の隅々まで走査するために、電子線を曲げる部品。偏向ヨークをなくしたことで、SEDは薄型化を実現し、消費電力も削減した。SEDでは、画素を区切るワイヤーも不要。これで、ワイヤーに電子線が当たることによる無駄な発熱も防げる。まさに、ブラウン管から厚みと熱を取り去ったものがSEDなのだ。
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