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Webマーケティングの近未来 第8回〜欧米での企業ブログの現状 その1

2004年10月4日

今、世界のブロガーは400万人を超え、そのうちアメリカが250万と言われている。この中で、企業ブログの数について具体的な数が明示されている調査はないが、もともと起業精神の強い国であるアメリカでは、小規模ビジネスも含め企業ブログが活発である。特にコンサルティング企業やコンサルタントには、自分達の知識を見せるためのメディアとして盛んに使われている。



これから数回にわたって、いくつかの例や企業ブログの専門家の意見を含めて、欧米での企業ブログの現状を見てみたいと思う。今回は、企業ブログのマーケティング上のメリットについて簡単にまとめてみたい。検索エンジンの上位に上がりやすいなど、ブログの特徴は以前に述べたので、それらは企業ブログにも当てはまるということは理解していただきたい。



Consumer-Generated Media(CGM)について見たように、一部の消費者が発するメッセージが他の消費者に大きな影響を与えたり、コミュニティサイトやソーシャルネットワーク、ブログ、検索エンジンを使ってメッセージを幅広い人たちに伝えることが可能となった。



この環境は、企業にとっては、チャンスでもあり危機でもある。これらのオンラインツールはメッセージを流したり、消費者の意見を集めたり、消費者同士の対話を促して、企業のサポーターと呼べるような消費者グループを作ることができる。そしてその反対に、何か企業が問題を起こすと一消費者への対応が悪いことでも、すぐに広がってしまうというリスクを抱えざるを得ない。



そのリスクを抑えるための一つのツールが企業ブログだと思う。企業コミュニケーションにおいて、何らかの事件が起こったときに、噂が立つまでに企業として自分達が理解している事実関係を公開するというスピードが何よりも重要になる。



ウェブを通して企業広報ができるようになったとはいえ、それでも、企業トップと話し合った内容をPR担当者が書面にして、それをウェブマスターや外部のウェブ制作会社にメールして・・・という時間差が、その企業にとって致命的になることもありうる。特に、企業の外にいる、中傷や噂を立てる消費者や競合は、同じスピードで情報を発信してるのである。



企業ブログの二つ目のメリットは、今まで表情や特徴が不明瞭だった企業という存在に、人格、あるいは顔を与えるところにある。広告にしてもPRにしても、企業から発せられるメッセージには、個性とか人格とか性格といったものがうまくそぎ落とされた言葉が使われているのが一般的だ。ブログの特徴は(少なくとも英語でのブログの特徴は)、企業ブログであっても、これがもっと個人の口から出てくるような話し言葉や個性のある語り口で語られている。消費者と同じ目線で対話ができるようになると言っても良い。今までのような構えた姿勢ではなく、対話をするという姿勢が、対話を促す環境を作り出している。



そして三つ目のメリットは消費者との長期的な関係の確立が可能なことである。これは今まで、メルマガ等で行われていることではあるが、昨今のスパムの問題でメルマガに対して否定的な感じが生まれつつある。特に若者の間では、メールを使ったコミュニケーションが、インスタントメッセンジャーやブログに変わりつつある。企業としてオプトイン型のコミュニケーションをする上で、ブログの重要度が高まっているのである。



最後に、一消費者が作った、あるいはその消費者と企業、消費者同士の対話で作られたコンテンツが、他の消費者の役に立つといった、ナレッジベース的な使い方ができることだ。これは今までもユーザーフォーラムといった形で行われていたのだが、サポート以外にはあまり使われていない。ブランデッドコミュニティを作るという企画は数々あったが、成功している例はあまり無いようである。ブログは、ゆるやかなブランデッドコミュニティを作る可能性を秘めている。



以上、企業ブログのメリットを簡単に述べたが、実際には例を見ながら話をした方が理解しやすいと思う。来週以降、社員ブログやブログを使ったイベントプロモーションなどのケーススタディを行いたいと思う。



◎過去記事一覧はこちら


著者の略歴】

織田(おりた)浩一 デジタルメディアストラテジーズ社代表、アドイノベーター編集長。 米シアトルを拠点とし、欧米の新広告手法・メディアテクノロジー・IT調査・コンサルティングサービスを提供。オンライン、オフライン広告の近未来に関するブログ、メルマガを公開中。コメント、質問は、email@adinnovator.com へ。ブログは、http://www.adinnovator.com/

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