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ドライアイに目薬の差し過ぎや洗眼は逆効果

2004年08月30日


 ドライアイは、涙の量が減ったり、涙の成分が変化したりして、目が乾く症状だ。目の疲れやかすみ、痛みなど、不快な目の症状の原因は60%が「ドライアイ」と言われている。




 涙の主成分は水だが、実は涙は「ムチン層」「水」「油層」の順に3層構造から成る薄い膜として、角膜の表面を覆って目を守っている。




 角膜と水の間にあるムチン層の「ムチン」は、のりのような成分で、目の表面から水が重力で流れ落ちるのを防いでいる。また油分は、水の蒸発を防ぐ役目を持っている。さらに乾燥を防ぐだけでなく、涙には細菌やウイルスを殺したり、ゴミなどの異物を流したり、目の表面(角膜)に栄養を補給したりする重要な役割がある。




 健康な人でも年を取るにつれ、涙は少しずつ減っていく。しかし、涙は十分に分泌されていても、部屋が乾燥していたり、まばたきが減ったりすると、ドライアイになりやすいので注意が必要だ。




十分明るい室内で、視線はやや下向きに






 パソコンのディスプレーを見つめる時間が長いと、まばたきが減るだけでなく、体や心も不調になる「VDT症候群」にかかる心配もある。VDT症候群にならないようにするためには、イラストのように正しい姿勢で作業することが大切だ。




 目からディスプレーまでの距離は40〜70センチメートルくらい離し、視線はやや下向きになるようにする。部屋も十分な明るさを保つようにしたい。そして1時間ごとに10〜15分間の休息をとり、遠くを見たりして目を休める。ストレッチなど体全体を動かすことも効果的だ。




 また度数の合わないメガネやコンタクトレンズを使うと、目を見開きがちになるので、まばたきが減ってしまう。コンタクトレンズの汚れにも注意したい。レンズの汚れが涙をはじいてしまい、涙が目に均等に広がらなくなってしまうからだ。レンズは必ずこすり洗いをして保存したい。




大切な涙を流してしまう洗眼液




 一方、目の乾きを感じたら、涙液型の目薬を一滴さすだけで効果は十分。目が乾くからといって、目薬をしょっちゅう何滴も差す人がいるが、これは要注意といえる。疲れ目用として市販されている目薬のほとんどにはメントールが入っており、その刺激が欲しくて大量に差す人も見かけるが、これは目を守る涙を流してしまっているだけ。




 また洗眼液で「目を洗う」ことも、目にはよくない。実際、洗眼が習慣になっている人が目の痛みを訴えて眼科医にかけこむケースが目立っており、その多くがドライアイや感染症にかかっているという。




 目を洗うとカップにゴミが浮いているように見えるが、これは水分の乾燥を防ぐ涙の油分であり、目の症状の解決にはならない。さらに洗眼によって、まつげやまぶたに着いている汚れや花粉を目の中に入れてしまう恐れもある。




 涙の実力を知り、その力を十分に発揮できるように心がけたい。




(坂本 正=日経メディカル




イラストレーション/川崎のりこ(PLUM GRAFIX


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