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神鋼と信州大、加工性に優れた超高張力鋼を共同開発

2004年7月23日

神戸製鋼所と信州大学は、自動車車体のセンターピラーやドア・インパクト・ビームなど車体の側面衝突用補強部品向けに、プレス成形性に優れた超高張力鋼板を共同開発した。新型の高張力鋼板は引っ張り強さが1470MPaと980MPaの2種類あり、例えば1470MPa品は衝突時の衝撃吸収効果を損なうことなく、部品を約20%軽量化できる見通し。2006年度の新型自動車の車体への採用を目指す。



1470MPa品は降伏強さ1100MPaで均一伸びが従来の1.5倍、局部的な加工性を示す伸びフランジ性と耐遅れ破壊性が従来の980MPa品並みに向上した。1470MPaと引っ張り強さが非常に高い超高張力鋼板をプレス成形する場合は、ホットスタンプ処理という鋼板を高温に一度加熱していくらか軟らかい状態にした後にプレス加工することが多い。今回開発した1470MPa品は均一伸びなどの成形性に優れているため、ホットスタンプの熱処理が不要になる。



980MPa品は、降伏強さ750MPaで均一伸びが従来の980MPa品並みで、伸びフランジ性が約2倍向上した。プレス成形性が大幅に向上し、複雑形状に加工できるようになった。高強度化による衝突安全性を高めながら、軽量化する切り札として市場に投入する。



加工性が向上した理由は、同高張力鋼板の組織を「ベイニティックフェライト」というベイナイト組織と、その間にサブμmサイズの微細な残留オーステナイト相が10体積%程度分散するようにしたこと。鉄炭化物を含まないベイニティックフェライト組織の“結晶粒”に相当するものを1μm以下に微細化したことが、引っ張り強さを向上させた。加工性は、残留オーステナイト相が加工時にマルテンサイト組織に相変態する加工誘起超塑性(TRIP)効果によって向上した。残留オーステナイト相は、水素による遅れ破壊の抑制にも効果を上げている。


 

今回開発した超高張力鋼板は、高強度低合金TRIP鋼と呼ばれる種類の高張力鋼板。神戸製鋼が保有する急速冷却装置を利用して実用化にメドをつけた。現時点では、板厚は1.2mmだが、今後板厚を増やしていく。(丸山 正明=編集委員室編集委員)

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