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胸の痛みと心臓病 チェックリスト1

2004年07月12日


 胸に強い痛みを感じたとき、まず思いうかぶのは心臓の異常ではないでしょうか。心臓病は日本人の死因の第2 位で、なお増え続けています。とくに毎年4万人以上の方が亡くなってる急性心筋梗塞は、突然発症して命取りになる病気です。胸が痛くなれば、もしやと恐怖を感じるのも無理はありません。しかし、胸の痛みは、心臓病以外にもさまざまな原因で起こります。胸の痛みを感じて心臓専門施設を訪れる人でも、狭心症や心筋梗塞の割合は多くないのです。(ファクトシートを参照)



 まず、緊急度をチェックしましょう。





チェックリスト1:あなたの症状に当てはまるのはどれですか。


 どれか1つでも当てはまれば、あなたの胸の痛みは緊急に治療を必要とする病気ではありません。



1.痛みの範囲が狭い――限局性である

2.痛みが鋭い――針で刺されたような感じ

3.深呼吸をすると痛みが増す

4.からだを左右前後に曲げたときに痛みが現れる

5.痛みの場所を手や指でおさえると痛い

6.痛みが何度きても「死ぬような気持ち」にはならない

7.痛みは瞬間的なときもあるが何時間も続く場合もある



→どれにも当てはまらない場合は、「チェックリスト2」に進んでください。






緊急に治療を必要としない胸の痛み




 チェックリストにあるような症状の現れ方をする胸の痛みの大半は、内臓の痛みではなく、神経痛や筋肉痛などの表在性の痛みです。痛みの範囲が狭く、痛む場所を指1本で指し示せるようなときは、心臓病や内臓の病気ではないと思って大丈夫です。



心臓病ではない胸の痛み



ゴルファーに多い肋骨の骨折

 せきをしたり体を動かすと痛みが出る場合は、肋骨にひびがはいっていることがあります。ゴルフ好きの方ならば、肋骨が疲労骨折を起こしている可能性もあります。疲労骨折は、骨に繰り返し無理な力がかかって骨に亀裂が生じた状態です。ゴルフによる肋骨の疲労骨折は、筋力が余り強くなくスイングが不安定なアマチュアゴルファーに起きやすく、練習熱心な日本人ゴルファーに特有のスポーツ傷害です。痛みは、しばらくゴルフを休んでスイングをしないようにすれば少しずつ引いていきます。骨がもろくなっている中高年女性では咳をしたり、外からちょっと押された程度でも肋骨の骨折を起こすことがあります。痛みがひどいときや長引くときは、整形外科を受診します。



いちばん多いのは肋間神経痛です

 肋間神経は、肋骨と肋骨の間をつなぐ筋肉の間を通って胸をとりまく神経です。体をひねったり、棚の上のものをとろうと伸びあがったり、不自然な姿勢になったときに、神経が骨や筋肉にはさまれて強い痛みが走ります。冷房の効き過ぎも原因の一つです。右側か左側か、どちらか片側にだけが痛みます。大半は一時的な痛みで、自然に治ることが多いのですが、時には胸の骨の変形や帯状疱疹などによる炎症、脊髄の病気やがんの転移などが隠れた原因になっていることがあります。痛みがひどいときや長引くときは、神経科や、麻酔科(ペインクリニック)で診察を受けます。



筋肉痛はさまざまな原因で起こります

 筋肉痛の原因で多いのが、慣れない運動や作業で普段使わない筋肉を使いすぎた場合です。打撲や捻挫のようなけがに関連した筋肉痛もよくみられます。運動のしすぎや使いすぎで起こる筋肉痛は、軽い場合は筋肉を休ませれば48時間程度で回復します。痛みがひどく重症の場合は、炎症を起こしているので整形外科で治療が必要です。そのほかに、インフルエンザなどの感染症や自己免疫疾患、寄生虫が原因で起こる筋肉痛もあります。筋肉の使いすぎなど思い当たる原因がないのに痛みが引かない場合は、内科の診察を受けたほうがいいでしょう。



このほかにも、食道の病気、肺や呼吸器の病気、心膜炎、胸膜炎など、胸の痛みの原因になる病気はたくさんあります。痛みが引かない、痛みが強くなるなど、心配な症状がある場合は、まず内科を受診して相談するとよいでしょう。




(参考書:沢山俊民著「患者さんとスタッフのための心臓血管病ABC」日本医学出版


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