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宇宙の癒やし効果、プラネタリウムが復活へ

2004年5月6日

都会のレジャーとして、プラネタリウムが復活しつつある。


昨年末、東京・お台場の複合商業施設「メディアージュ」にプラネタリウムが新設されたほか、既存施設のリニューアルも相次いでいる。中でも大型リニューアルとして注目を集めているのが、3月20日、東京・池袋にオープンした「サンシャインスターライトドーム“満天”」(東京都豊島区)だ。


同じ場所ではもともと「サンシャインプラネタリウム」が営業していたが、入場者数の減少などから昨年6月1日に閉館した。しかし、存続を求めるファンの声が大きく、機器メーカーのコニカミノルタプラネタリウム(大阪市)が運営を継承。わずか9カ月で再開にこぎ着けた。


夕焼けも臨場感ある映像で


スターライトドームの最大の売り物は、新規導入した映像システム「SKYMAX(スカイマックス)」だ。従来の静止画スライドショーとは異なり、6台のビデオプロジェクターがCG(コンピューターグラフィックス)を駆使した動画を投影する。SKYMAXを利用すれば、CGだけでなく実写の映像もより自然になる。例えば「都会では見られなくなった夕焼けも、臨場感ある映像で体験できる」(今井裕司コニカミノルタプラネタリウム社長)。「恒星原板」も更新し、上映できる星の数を9200個から40万個に増やした。天の川なども鮮明に表現できる。


上映プログラムも再開に合わせて一新した。中核となる「プラネタリウムプログラム」では、NHKの連続テレビ小説「まんてん」でヒロイン役を演じた宮地真緒さんをナレーターに起用。「ヒーリングプログラム」では、星空の映像とともに癒やし効果の高い香りと音楽を流す。従来、プログラムは基本的に1つだったが、再開後はフルCGのものも含め、4つに拡充した。


これらの話題作りが奏功して、休日は超満員の状態が続いている。「1年間の入場者数の目標は30万人だが、オープンから約半月で3万人を突破した」(今井社長)。特に若いカップルの来館が目立つという。


日本プラネタリウム協会によると、全国の利用者数は1990年の574万人をピークに、99年には492万人まで減少した。しかし、同協会の北原政子会長によると「入場者数減少は底を打ち、昨年からは増加傾向に転じている」という。


その背景にあるのは、最近の「火星ブーム」だ。


昨年夏、火星が地球に大接近し、今年3月2日には米航空宇宙局(NASA)の無人火星探査車「オポチュニティー」が水の痕跡を発見した。これらをきっかけに火星への関心が高まり、「昨年は火星儀が平年の8倍以上、約400個売れた」(火星儀などを製造販売する渡辺教具製作所の渡辺美和子社長)。昔からの天文ファンだけにとどまらず、一般の人々の間でも火星を契機とした「宇宙熱」が高まっている。


宇宙ブームで“常識”覆せるか


宇宙ビジネスが広がる兆しは、プラネタリウムの復活以外にも見られる。 


大阪のリーガロイヤルホテルは最上階を改装し、銀河をテーマにした和食レストラン「星宙」を4月30日にオープンした。エスカレーターで店内に入ると、目の前に光の銀河が広がり、天井には満天の星が映し出される。テーブルなどの調度品も、宇宙をテーマにした落ち着いた色で統一した。「宇宙が持つ癒やし効果をレストランに生かしたい」と播本克昭専務は話す。


「人間が一生でプラネタリウムに行くのは、課外学習、デート、定年後の3回だけというのが業界の常識」(今井社長)。宇宙ブームがさらに盛り上がれば、この常識も変わっていきそうだ。

(小笠原 啓)

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