激増ラーメン施設に忍び寄る淘汰の兆し(後編)
ナムコと同様にラーメン施設のプロデュースを手がけるヴィジュアル・ジャパンの畑靖彦社長は、「集客のためのビジネスモデルの質が成否を分ける」と話す。
例えば、仙台市青葉区の「ラーメン国技場 仙台場所」では、テナント間の対決を相撲に見立て、売り上げ上位2店舗を毎月「横綱」「大関」として公表。年間売り上げの下位店舗については、契約更新時(1年)に退店してもらう。契約を1年にしているのは、テナントの新陳代謝を活発にし、お客を飽きさせないためだ。また、入れ替えをスムーズに行うために、厨房機器などについては施設のオーナーが用意し、店側にとっての初期投資を抑える形をとっている。
オープン後の約4カ月での来客数は約60万人で、こちらも順調だ。また、ヴィジュアル・ジャパンは複数の有力ラーメン店に出資しており、テナントの確保・補充にこれらの店を使えるのも一つの特徴といえる。
急増するラーメン施設の手本となっているのが、横浜市港北区の「新横浜ラーメン博物館」だ。1994年にオープンした同施設は、ラーメン施設には不適と思われるビジネス街にありながら、今でも年間150万人の来客数を誇る。「多店舗展開していない希少性の高い優れたラーメン店を発掘・誘致し、各地のラーメン文化を紹介する場」(ブランド事業部の中野正博氏)というのが開業時からの経営方針。店のラインナップもさることながら、昭和30年代をイメージした館内の雰囲気、ラーメンに関する様々な知識を得られる展示物などの点で、娯楽性だけをとっても頭一つ抜けた存在だ。
「確かに立地は悪いが、多くのお客は『ついでに来る』のではなく、うちの施設を目指して来店する。施設自体に魅力があれば立地条件は克服できる」と中野氏。ただ、別格ともいえるラーメン博物館のような施設づくりは、資金面を考えてもかなり難しい。例えばナムコでは、プロデュースを請け負う場合の一つの目安として、「母体の商業施設の年商が200億円以上であること」(池澤氏)を挙げる。つまり、立地条件も厳しい吟味の対象になっているのだ。
オープン数の急増で、ラーメン施設自体の目新しさはどんどん薄れていく。立地を見極める力と、娯楽性の提供力の双方からなる“総合力”のない施設は、今後、苦戦を強いられることになろう(日経レストラン3・4月号「ニュースの裏側」より)。
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