激増ラーメン施設に忍び寄る淘汰の兆し(前編)
数年前からのラーメンブームの追い風もあって、ラーメン店の集積施設の数が急増している。実際、2003年以降にオープンした施設数は、優に10を超える。
ただ、全ての施設が思い通りのスタートを切っているわけではない。
関西のある施設の場合、オープン後の約5カ月間での来客数は当初の予想を少々下回り、約27万人にとどまった。数多くの飲食店が軒を並べる繁華街にあるため、「周囲に埋没してしまい、ラーメン店が集まることによる集客面での相乗効果を発揮できていない」というのが施設側の分析だ。
東京都渋谷区の「麺喰王国」は、来客数などを基に利回りを設定した投資ファンドにより資金調達を行う目新しさで話題を呼んだ。同施設のホームページによれば、開業後1カ月間の1店当たりの平均来客数はおおよそ400人台で推移(数字の公開は現在中止)。これだとファンドの利回りは0%で、投資家からすれば期待外れの滑り出しだ。
「フードコート的に有名店を集めるだけで大きな売り上げを見込めるほど、ラーメン施設は甘いビジネスではない。テナントの実力に加え、お客を引き付ける“娯楽性”がないと近い将来淘汰される」。ラーメン施設など数多くのフード・テーマパークをプロデュースするナムコの池澤守ET企画ディビジョンリーダーはこう言い切る。
例えば、同社が重視するポイントの一つが“物語性”。2003年12月にオープンした「明石ラーメン波止場」の場合、ラーメン職人がその腕を競う港町という設定で、施設内には数多くの大漁旗を飾るなどして明石らしい雰囲気の演出に努めている。また、瀬戸内海沿いの県に本店がある「瀬戸内ラーメン店」と「全国有力ラーメン店」の対決の場とし、お客の人気投票による上位店を定期的に公表するなど、“参加意識”を刺激する仕掛けも用意している。そのかいあってか、オープンから10日で16万人のお客を集めるなど滑り出しは非常に好調だ(日経レストラン3・4月号「ニュースの裏側」より/後編は3月31日に掲載する予定です)。
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