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ラーメン激戦区で勝負を挑む、讃岐うどん

2003年9月29日
 東京・西新宿は小滝橋通り沿いのラーメン激戦区に、9月24日、讃岐うどんブームの立役者、田尾和俊氏プロデュースによる「讃岐うどん大使 東京麺通団」がオープンした。「麺通団」とは、ブームの切っ掛けとなった香川県タウン情報誌のうどん屋探訪コラムのために結成された、田尾氏を中心とする店舗情報収集チームの通称だ。

 讃岐うどんブームの原点は、香川の製麺所が本業の片手間に営業する「製麺所型」といわれる店にある。打ち立て麺を味わえることに加え、うどん店の経営が主眼ではないため、ロケーションが分かりにくいのが特徴。「企画にあたっては、東京未進出のこの“製麺所型”を意識した」(田尾氏)という。「東京麺通団」も、入り口を入るとうどんを茹でる大きな釜があり、お客はここで注文したうどんを受け取ったあと、中のセルフ式カウンターで天ぷらなどのサイドメニューを追加する仕組みだ。

 うどんは「釜あげうどん」、「熱かけうどん」など、ごく基本的なものが全8種類でそれぞれ大・小がある。値段は290〜490円。サイドメニューにはトッピングとなる「半熟卵天」(100円)、ゲソ天(150円)、「ちくわ天」(100円)など各種天ぷらのほか、にぎり飯(100円)などがある。

 麺を手掛けるのは宮武讃岐製麺所(香川県丸亀市)だが、同社の既存製品は使わず、田尾氏が麺通団メンバーらと讃岐の人気麺を研究、ゼロから「東京麺通団」用のオリジナルを作った。うどんは生地を香川から東京に輸送、現場で麺の形に仕上げる「手打ち」にこだわった。「現在の麺の仕上がりは70%。これから改良を重ねていく」(田尾氏)。またダシについては、東京では醤油を足すなど現地より濃い目の味にしている店が多い中で、本場と同じ味にこだわったという。

 田尾氏はこれまで、通販大手の千趣会が企画した讃岐うどん名店麺の限定通販にも関わっている。その企画では、粉の配合、打ち具合、麺の切り方などを研究し、それぞれの店の特徴を出したというが、「東京麺通団」でも、特別企画の麺の提供を視野にいれている。「うまい讃岐うどんには、いくつものタイプがある。いずれ、様々なタイプの人気麺を店で出して行きたい」(田尾氏)。

 店舗の立地選定にあたっては「大通りに面しているのではなく、一歩入り込んだ場所を意識した」(設計デザインと東京店の運営を手掛けるガラ エンタープライズの重野和稔社長)。また、「麺を茹でる湯気が店頭に立ち込める様子で、何だろうと思わせ、お客様を引き付けるため、1階というロケーションにもこだわった」という。あえてラーメン激戦区に出店したのは、一過性のブームに終わらない、本物の定着を狙ったからだ。

 「不夜城」歌舞伎町にも近く、このエリアならば深夜・早朝のお客が狙えると、24時間営業にも踏み切った。夜のお客をターゲットに「東京麺通団」の共同プロデューサー、コラムニスト勝谷誠彦氏らの企画による日本酒・焼酎と肴となる珍味を提供している。

 肴は西讃岐だけに残る珍味という「大豆の醤油豆」の他、「芝エビ唐揚げ」など全12種で300〜390円。酒は、日本酒(150ml)550〜690円、焼酎(100ml)590円で、こだわりの銘酒を集めた。酒類の販売は予想以上に好調で、特に香川の銘酒「凱陣」は、「オープン2日目に欠品。急遽追加注文をかけた」(重野氏)とのこと。

 現時点でのお客の平均年齢層は30〜40代だが、「目立ったのはテレビの情報番組を見たという、シニア女性からの問い合わせ」(重野氏)。幅広い年齢層からの手応えがあり、現在のところ「売上げは予想の2.5倍」(重野氏)。

 10月7日には、ナムコと南海電鉄が手掛けるフードテーマパーク「大阪ヌードルシティ〜浪花麺だらけ〜」(大阪市浪速区)内に系列店となる「大阪麺通団」も開店する。「軌道に乗れば、(『〇〇麺通団』という形で)各地に本場の讃岐うどんの味を広げていきたい」(田尾氏)と期待をよせている。(大塚 千春)
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