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行員激白「『りそな』は絶対に再生しない!」

2003年6月16日
 「その時」は突然やってきた。

 「国有化の話は妻からの携帯電話で知った。不安そうな声で『今ニュースでやってる…』と言う。それを聞いて、無性に怒りが込み上げてきた。『従業員をバカにするのもいい加減にしてくれ』って。こんな大事なことを行員に何の説明もせず、妻から聞かされる。ただただ不安がっている妻に説明してやれない自分が情けなくて…。出社したら、一方的にボーナスカットだ、給与カットだと言われたが、やはり経緯の説明はない。『これから大変ですが、皆で頑張って乗り切りましょう』と支店長は言っていたが、そんな言葉、誰が信じられますか?」(30代・男性行員)

 「説明なく国有化という結果だけ知らされたので、とても寂しい気持ちになりました。何のための合併だったのだろう、もうどうにも頑張りようがないんだと。中には、初めてもらうはずのボーナスがなくなると聞いて泣き出した女の子もいましたが、私は淡々と仕事をするだけです。もっとも、もうすぐ始まる『ボーナスキャンペーン』で攻めの営業をする気持ちにはなれません」(20代・女性行員)

 「銀行員は高給取りと言われますが、ウチに限ると、リストラ続きで給与は下がりっぱなしです。しかも、入行後10年間の銀行の仕事は丁稚奉公と言われる通り、若い時の給与は驚くほど安い。だが、今回はそれさえ削られるでしょう。国有化だから仕方がないと頭では分かっていても、いざ自分の身に降りかかると非常に不安です。妻も『私も稼がないといけない』と言っている。子供もまだ小さいのに…。精神的にかなり参っています」(20代・男性行員)

 りそなグループの2003年3月期末の自己資本比率が国内業務を営む場合の最低基準4%を割ったことを受け、5月17日、政府は同グループに公的資金を注入、実質国有化することを決定した。

 りそなは埼玉県を中心に首都圏を基盤とする旧あさひ銀行と関西を基盤とする旧大和銀行などが合併してできた銀行グループ。資産規模は国内5位と大きく、貸出残高の約8割が中小企業や個人向けである。破綻すれば、数多くの中小企業が連鎖倒産し、日本経済が混乱に陥る危険があった。

 もちろん、約2兆円もの公的資金すなわち税金をつぎ込む以上、経営責任は厳しく問われるし、リストラも加速される。5月末に発表した「経営健全化計画」によると、約50の関連会社を含めた総勢142人の役員が退任。従業員については、夏季賞与の全額カットや給与の3割カットを実施、人員も今後2年間で1800人削減する予定だ。経営体制も一新する。取締役会のメンバーは7人を社外取締役で構成。同グループ内からの起用は社長ら3人にとどめる。

 この健全化計画によって、りそなは立ち直るか。その成否は、突き詰めれば、行員たちの頑張りにかかっている。本誌は、20代から30代までの若手行員を取材。今、現場では何が起きているのか、渦中の行員たちは何を考えているのかを探った。その結果、浮かび上がってきたのは、冒頭にもある通り、会社への怒りと将来への不安だった。難局を乗り切るために一丸となるという状況からはほど遠い。


●さらに詳しい内容が、「日経ビジネス アソシエ」7/1号でご覧いただけます。
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