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携帯電話で混雑状況を確認、順番待ちを申し込めるサービス---回転寿司店などで導入進む

2003年5月13日
 回転寿司など、順番待ちが多い店の混雑状況について、携帯電話から確認し、順番待ちも申し込めるサービスが登場。飲食店への導入が広がっている。

 このサービスは、ITベンチャーのニューロン(東京都千代田区、酒井真吾社長)が開発した「epark(イーパーク)」。2002年7月より実証実験を続けていたが、今年に入って本格販売を開始。くらコーポレーションが展開する「無添くら寿司」の関東全店を含む24店や、サンマルクの「ベーカリーレストラン サンマルク」や回転寿司店「函館市場」の一部などで導入を始めた。

 サービスは、よく使われる手書きの順番待ちシートをウェブサイト上に置き換えたものと考えるとわかりやすい。データは、ニューロンが委託したデータセンター上に置き、お客が持つインターネットに接続できる携帯電話や店舗に置いた専用のタッチパネル端末(写真)からアクセスする仕組みだ。

 お客は、予め「epark」の会員となっておけば、店の外から携帯電話で「epark」のサイトにアクセスして、順番待ちの申し込みができるほか、現在何組のお客が順番待ちをし、案内までどのくらいの時間がかかるか、携帯の画面でリアルタイムに分かる。順番待ちを申し込んでおけば、店に居続けなくても済み、時間を有効活用できるわけだ。

 店では、従業員が専用の端末を見ながら、受け付け番号でお客を呼び出し、実際にお客を案内したら、その順番を端末上で消す。この情報がデータセンターに送信され、順番待ち情報が更新される仕組みだ。順番に間に合わなかったお客をチェックする機能があるほか、携帯を使わず、店に直接入ったお客は、店頭のタッチパネル端末から申し込むことで、データは一元管理される。ニューロンは、このシステムをビジネスモデル特許出願中だ。

 仕組みはさほど複雑ではないが、店にとってのメリットは小さくない。

 まずは、待ちきれずキャンセルするお客が減ることで、機会損失が大幅に減少することが挙げられる。実証実験をしたある回転寿司店では、それまで土日の夕方以降の時間帯は、220組の受け付けのうち、キャンセルが60組前後あり、キャンセル率は30%近くにのぼっていたが、「epark」導入後は、これが7%弱に減少した。キャンセル率低下による売上増は計算上、1日15万円。土日が月8日とすると、月に120万円増となる。

 実際、ウェイティング発生状況を時間ごとに見ると、客数が少なかった午後5時台や9時以降の客数が増加、お客がピーク時を避けて来店している様子が確認できた。回転寿司の人気店では、ピーク時には数10人にのぼるウエイティング客のために、レジ横に大きなスペースを作っている例が多いが、その一部を客席に振り向けることもできるようになるわけだ。繁盛している店であるほど、導入効果が大きいといえる。

 さらに見逃せないのは、お客の来店状況を効率的に把握し、活用できること。

 従来の顧客管理の手法は、ポイントカードを使ったものか、携帯電話やパソコンを使ってメールアドレスを取得し、メールDMを送る手法が一般的だが、前者は来店状況のデータは取れるものの、申し込み用紙に書かれたメールアドレスなどの情報を入力する手間やポイントカードリーダーなどの機器の投資が必要。一方後者は、サービスを提供する会社も多く、手軽に取り入れられるが、メールを送ったお客が実際に来店したかどうかを把握することが難しかった。

 これに対して、「epark」は、住所や氏名、性別などの顧客情報の登録も、順番待ちの申し込みや確認も、同じ携帯電話一つで行うのがミソ。電話番号別に決まったIDがキーとなり、会員一人ひとりについて、順番申し込みや実際の来店日時、過去の来店回数などの利用状況がデータセンターにそのまま残る。これにより、例えば順番待ちが1時間以上になったお客だけにお詫びのメールを送るなどの個別対応ができるほか、メール配信した結果、どの程度のお客が実際に来店したかなどの効果測定が可能となる。また抽出条件さえ事前に決めておけば、メール配信は各店にある専用端末からできるため、各店の判断で効果的な販促をかけることができるのも利点だ。ポイントカード発行システムも標準装備だ。

 導入コストは、お客用、店用の専用端末やデータセンターとつなぐADSLの敷設費用などを含め、1店当たり約60万円。利用料は月額2万円だ。

 システムを開発したニューロンの酒井真吾社長は「導入店が増加しているため、epark全体の会員は現在月に1万人ずつ増加する勢い。年末には10万人になる見込みだ。外食だけでこのシステムを導入する価値がある店は最低3000店はあるが、今後はカラオケ店や病院などにも導入を働きかけて行きたい」と言う。(遠山 敏之)
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