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森ビルの執念と憂鬱--六本木ヒルズ

2003年4月28日
 4月25日、東京・六本木に新しい街が誕生した。街の名は「六本木ヒルズ」。東京ドームのグラウンド8つ分という広大な敷地に、オフィスビルや高級賃貸マンション、商業施設などが立ち並ぶ。

 昨年9月に開業し、半年で1320万人を集めた東京・丸の内の「丸ビル(丸の内ビルディング)」以上に話題を呼びそうだ。

 オフィス棟の最上階には美術館をいだき、有名ブランド店など120店舗が集う。和洋中の内外一流店約70店舗を揃えた飲食店。週末のオールナイト上映を実現した複合型映画館。旧毛利邸の面影を残す日本庭園。東京の新名所となりそうな話題を拾えば枚挙に暇がない。

 この再開発を主導したのは森ビルだ。東京・港区に賃貸オフィスビルを数多く持つ不動産会社で、「港区の大家さん」と呼ばれる。未上場企業ながら、街づくりのノウハウは競合大手不動産会社も一目置く。六本木ヒルズは森ビルの競争力の集大成でもある。

 再開発に着手したのは1986年。完成までに17年を要した。17年という歳月は森ビルに暗い影を落とした。森ビルは売上高の10倍近い7800億円という有利子負債を抱える。六本木ヒルズを作り上げる過程で負債が膨らんだ。一大プロジェクトの完成という華やかな話題の影で、金融機関は森ビルの巨額債務に恐れおののく。

 「六本木ヒルズが成功すればキャッシュフローは倍になる」と森ビルは見る。しかし、「2003年問題」に代表されるオフィス供給過剰問題は一過性の問題ではない。「優良な都市のインフラづくり」という旗印を掲げる森ビル。さらなる再開発に向け、土地を仕込み続ける。市況回復の芽がない中、街づくりの執念を貫き、憂鬱を晴らすことができるだろうか。

■さらに詳しい内容が 日経ビジネス4月28日号 でご覧いただけます。
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