このページの本文へ
ここから本文です

全日空のシステム障害、端末監視ソフトのバグが原因

2003年3月24日
 3連休初日の3月21日早朝に発生した全日本空輸のシステム障害は、ルーター用通信制御プログラムの設計ミスと、これが発端となって「羽田空港用チェックイン・システム」のバグが表面化したためであったことが分かった。

●ルーターのソフト変更が引き金に

 ルーターは同日午前4時50分、全日空のシステム子会社が通信制御プログラムをメンテナンスするため変更した直後に停止してしまった。全日空の基幹系システムは、「国内旅客系」、「国際旅客系」、「空港系」、「国内貨物系」の四つのサブシステムからなるメインフレーム系が中心。これと、 1万3000台を超える端末とを接続するためのフロントエンド・プロセサで構成されている。障害が発生したルーターは、フロントエンド・プロセサとメインフレーム群との間に配置されたもの。ルーターが停止したため、すべての端末が基幹系システムにアクセスできない状態に陥った。全日空はルーターを二重化していたが、通信制御プログラムは共通なので障害発生を防ぐことはできなった。

 障害の原因がルーターのプログラム変更にあることが明らかだったので、全日空はルーターのプログラムを旧バージョンに戻し再起動した。このため午前5時50分には、通常の処理が可能な状態にネットワークが復旧した。朝のこの時間帯は羽田空港から出発する早朝便以外に発着便がない。このため、この時点では全日空便の運行に大きな影響は起こらなかった。

 この最初に発生した障害の影響を回避するため、羽田空港発の早朝便のチェックイン手続きなどは、羽田空港に設置している予備システムで対応した。全日空は予備システムに対して毎晩、最新の予約状況をまとめたファイルを旅客系システムから転送している。

●羽田空港用システムのバグが“発症”

 ところが障害はこれだけではなかった。

 午前5時50分にネットワークが復旧したため、羽田空港の予備システムの使用を中止。羽田空港に設置した端末群を、羽田空港用のチェックイン・システムへ接続し始めた。羽田空港用チェックイン・システムは国内旅客系システムの一部である。接続は正常に行えたのだが、羽田空港用チェックイン・システムのサブシステムである端末監視プログラムにバグがあり、正常に接続された端末の一部を未接続と誤認してしまった。これが原因で、羽田空港用チェックイン・システムがフリーズした。全日空は即座に羽田空港用チェックイン・システムを再起動したが、完全に復旧できたのは午前7時15分だった。

 羽田空港は日本の空の便の中心だ。このため羽田空港を飛び立つ便の遅れは全国の発着便に影響を与えた。3月21日の欠航は全国で150便、遅れは300便、影響を受けた乗客は10万2000人に達した。欠航・遅れは翌日にも尾を引き、3月22日にも5便の欠航、10便の遅れを出すことになった。

 全日空は3月21日の深夜になって、羽田空港用チェックイン・システムのバグが原因だったことを突き止め、翌22日の午前4時にバグの修正を完了した。(森 永輔)
ここから下は、関連記事一覧などです。画面先頭に戻る ホームページへ戻る

記事検索 オプション

SPECIAL

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る