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自分だけ感を演出できる“着せ替え商品”が新市場生む

2003年3月25日
 消費者が自由にカスタマイズできる商品がブームの兆しを見せている。大は自動車から小はボールペンまで様々な分野に拡大している。

 三菱自動車が2002年11月11日に発売したコンパクトカー「コルト」もその1つ。同社は、競争の激しいコンパクトカー市場に参入するにあたって、他社との差別化を狙って、装備の豊富な選択支を提供するカスタマー・フリー・チョイス(CFC)を採用した。

 従来の自動車販売では多くの場合、装備の違いなどによって、数種類のグレードが用意されている。各グレードには標準装備が決まっていて、変更は、数点の装備に限定されてることが多い。そのため顧客が一つ一つの装備に満足しないまま、購入していたケースも少なくなかった。しかしCFCでは、標準装備という考えを無くし、顧客がすべての装備を取捨選択できる。コルトの場合、37種類の装備を選択可能で、車両価格も装備一つごとに上下する。顧客にとって、自分の予算と自動車の使用目的から、幅広い装備の組み合わせを選ぶことができるのがメリットだ。

自動車のインテリアを模様替え

 コルトでは、販社の段階で追加できるいわゆるディーラーオプションでも、豊富なカスタマイズが可能だ。例えば、インテリアのパネル類は簡単に取り外しできるようにデザインした。これは、今後新しい色調のパネルを追加して、取替え需要を喚起するためだ。乗用車商品事業統括乗用車商品企画・プログラム推進本部の吉永浩和商品企画1部マネージャーは「季節ごとに部屋の模様替えをするように、コルトのインテリアも変更してもらいたい」と語る。またシート下の収納やドリンクホルダーなどにも多様な選択肢を用意している。

 一般的には、自動車を選ぶ際にまず気になるのが、外観のデザインやカラーリングだろう。しかし実際に乗り始めてみると、収納などの実用的な部分に関心が移ってくる。利用状況に合わせて、様々にカスタマイズ可能なコルトのようなデザインは、購入行動に大きな影響を与えそうだ。

 これまでにない取り組みなだけに、CFCの実現には障害もあった。計画当初は、CFCの対象となる装備は約50種類になる予定だった。しかし生産部門からは、組み立て作業や部品の調達が複雑になるという不満が出た。そのため装備を37種類に減らすことで、なんとか合意を取り付けた。また実際に消費者と接する販社からは、装備を1から選ぶと商談に時間がかかりすぎるという声が上がった。これには6種類の推奨パッケージを用意することで対応した。

 カーマニアの間では、アフターマーケットに出回っている様々なパーツを購入して、“自分だけの車”を仕上げることが行われている。CFCは“普通”のユーザーが手軽に自分だけの車を手に入れられるようにしたところがミソだ。こうしたCFCが支持された結果、三菱自動車は2月末までの3.5カ月間にコルトを2万5490台販売した。当初の販売目標である月間7000台を超える順調なペースだ。

震源地は“着せ替え”携帯電話

 様々な分野に広がりつつあるカスタマイズ商品だが、このブームの大きなきっかけとなったのは、“着せ替え”感覚でカスタマイズできる携帯電話の登場だった。KDDIが2000年12月に国内初の表面のパネルを交換できるソニー製(当時)携帯電話「C406S」を発売した。

 これ以降、各社が次々と「着せ替え」を売りにした製品を市場に投入した。(太田憲一郎=NIKKEI DESIGN)………全文はNIKKEI DESIGN 4月号でお読みいただけます。
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