「チーズバーガー」値上げ騒動、マックの真意は
2003年2月10日
この新価格戦略に、新聞、テレビなどの報道各社は一斉に「マック、『チーズバ−ガー』を値上げ」と反応。消費者の中にも「マックはまた価格をいじるのか!?」「下げたり、上げたりと、迷走ぶりが目立つ」と、驚いたり、あきれたりする声も少なからず出た。
確かに、「マクドナルド」はこの1年、価格の上げ下げを繰り返してきた。2002年2月に、前年秋のBSE(牛海綿上脳症、いわゆる狂牛病)以降、落ち込んでいた売り上げの回復を狙い、それまでの平日半額販売を打ち切り、平日65円(週末130円)で販売していた「ハンバーガー」を常時80円に改めたのが皮切り。販売の低迷が止まらない中、8月には一転、「ハンバーガー」を過去最低の59円に再値下げすると共に、「チーズバーガー」や「フランクバーガー」も値下げした。この時は、注目を引いたこともあり、8月1カ月は客数が前年同月比で5.0%増加したが、その後は目立った効果は見られなかった。
そして、ここに来て、単品では「ハンバーガー」に次いで、販売個数第2位の「チーズバーガー」を値下げ前の価格に戻すという。「価格を下げたり、上げたり」と消費者が困惑したり、業界内で「8月以来の値下げが売り上げ増に結び付かなかったので、利益を確保するため、利幅の薄い商品の価格を見直さざるを得なくなかった」といった見方が出るのは、無理からぬ話だ。
だが、同社は今回の“値上げ騒動”について、こう説明する。「今回の価格改訂は、あくまでも『なっ得バリュー』戦略の一環。このキャンペーンの商品アイテムは、もともと3カ月単位で変える予定だった。今回は、『ボリュームのある商品を手頃な値段で提供してほしい』という消費者の要望に応え、『ダブルチーズバーガー』をアイテムに加え、その代わりに、チーズバーガーを外しただけ。価格で動く一部の層に常に目新しさを訴えたいという意図はあるが、価格だけで多くのお客が来るとは無論思っていない」(蟹谷賢次・広報・IR室マネージャー)
確かに、同社は「なっ得バリュー」キャンペーン開始の発表時から、3カ月かそれ未満の単位で商品アイテムを変えると説明し、第1弾として、「ハンバーガー」を59円、「チーズバーガー」を79円、「フランクバーガー」を75円で売り出していた。 実際、3カ月後の11月には期間限定商品の「ポテピリチーズバーガー」を「なっ得バリュー」に加える代わりに「フランクバーガー」を元の水準の150円に。また、今年1月に「ポテピリチーズバーガー」が終了すると同時に、「フランクバーガー」を再び「なっ得バリュー」に加えている。今回は「チーズバーガー」という人気商品が「なっ得バリュー」の入れ替え対象になったために注目を集めたが、「マクドナルド」自身は世間が騒ぐほど大きな意味を「チーズバーガー」の値上げに込めているわけではなさそうだ。
しかも今回の価格改定時には、バーガー類とポテト、ドリンクなどを自由に組み合わせられる「マックチョイス」(500円または550円)に、新たに「ハンバーガー」と「チーズバーガー」のバージョンを加え、それぞれ369円、430円で販売を始める。「マックチョイス」に関しては、実質値下げになるわけで、その意味でも、今回の価格改訂の狙いは「値上げ」ではないといえる。
とは言え、サイドメニューを自由に選べる「マックチョイス」や、地域の特性に合わせたエリアメニュー「マックトーキョー」など、様々な策を講じながらも、決め手がないまま、16カ月連続で既存店売り上げの前年割れが続いているのは事実。「どうした!?マック」と言われないためには、やはり売り上げという実績を上げるしかないようだ。(大谷 珠代)
■日本マクドナルドのホームページ
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