視点:「液晶ディスプレイ」の巻---ブラウン管時代は終わったのか?
2002年9月18日
液晶ディスプレイも以前と比べれば価格が低下してきており、一部の大形パネルを除けば、現在使用中のディスプレイを買ったときの値段よりも安く手に入る。消費電力が少なく、デスクの奥行きを有効活用できる点も魅力的だ。それに、パソコン周りからの発熱が減れば、夏のエアコンの消費電力の方も軽減できるかもしれない。
パソコンとの接続がデジタル方式ならば、アナログ変換のプロセスが不要になるため、画面のレスポンスが速くなるという。更に、発色や歪みの調整をしなくて良いという点も有り難い。幸いなことに、メインで使用しているパソコンには最初からデジタル端子が搭載されている。これはもう液晶ディスプレイに決定か…。
こんなときは、例によって友人宅でテストさせてもらうのが「折中流」だ。試用したのは同じナナオの製品なので、嫌でも期待は盛り上がる。だが、どうも発色が悪くて、全体に暗いような気がする。アナログ接続で色調整をしていない状態だからだろうか。それとも、部屋の採光が悪いのか。あるいは慣れや好みの問題なのか…。自分が持っている小型液晶テレビの発色からすると、かなり意外な感じがするが、画面が小さい方が奇麗に見えてしまうという点も否定できない。
購入を躊躇する気持ちが湧いてしまったので、パソコン・ショップで他の製品もアレコレ見ることにした。売り場の展示品の色や明るさはマチマチで、それが製品やメーカーの特色なのか、それとも固体差によるバラツキなのかは不明確だ。いちばん確実なのは自分のパソコンに接続して最適設定をした上で比較することだが、現実には無理な相談だ。
売り場の片隅に追いやられているブラウン管(CRT)タイプのディスプレイは、普及型ならば驚く程の低価格だ。液晶ディスプレイと同程度の金額を出せば、かなり高級なものか、あるいは大型のものが買える。ブラウン管タイプでは省スペースにはならないが、省電力の方は旧型よりもマシかもしれない。
現在使用中のものと同程度の性能ならば、そこそこ妥当な価格で入手できるが、だが、果たしてそれに意義があるだろうか。
教訓1:筒が平面になったからといって、劇的な環境の向上にはならない。
それに、古いディスプレイを他のパソコンで使うにしても、玉突き方式でリプレースするから、結局は最も古いものが粗大ゴミになってしまう。ディスプレイのリサイクル料金はテレビと同列だから、製造メーカーにもよるが決して安くはない。
良く考えてみると、液晶には別の問題もある。ときどき我が家のチビ助は仕事場に遊びに来るのだが、パソコンの画面をバシバシと叩く習性があるのだ。ときにはペンで強く落書きすることもある。今は厚いガラスのブラウン管だから大きな問題にはならないが、液晶なら故障してしまうかもしれない。触らせないように教育することも不可能ではないだろうが、子供が聞き分け良く成長するのを待っていたら、その間に何年もの歳月が経過してしまいそうだ。仕事場を自宅の書斎に移転するプランもあるので、それではチト困る。
そうこう悩んでいるうちに、何と自宅の居間のテレビが壊れてしまった。予算的にディスプレイとテレビの両方を購入することは難しい。構造的には似たような商品だが、使用する場面や目的は大きく異なる。ディスプレイの方は故障しているわけではないので、やはり優先順位はテレビが上だ。私のパソコンのフラット画面化への道のりは、まだまだ遠いようだ。
教訓2:買い替えたいモノが、都合良く故障してくれるとは限らない。
●著者:折中 良樹(フリーランス・ライター)
早稲田大学大学院(ロシア文学)中退。角川書店書籍編集部バイト、アスキー出版局契約社員を経て、1990年にフリーとして独立。何となく周囲に流されて、いつの間にか業界の王道を歩んでしまったらしい。近著に「NortonファミリーでMacを守れ!」「Mac OS X & 9 簡単LAN入門」「Mac OS Xのトラブルバスター」「電子メールのトラブル解決Q&A」(いずれも広文社)ほか多数。
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