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視点:「携帯電話」の巻(1)---通話専用機を求めるのは異常なのか?

2002年8月27日
 携帯電話を持って満6年になった。何と、使用開始当初のまま、同一機種を使い続けている。購入時に相談した友人達の話では、2〜3年で電池がダメになるし、電池を交換するよりも丸ごと機種交換した方が安いと聞いていたので、そんなものかと思っていた。ところが、その頃採用が開始されたばかりのリチウム・イオン電池は今でも元気一杯で、待ち受け時間が短くなる気配すら現われないのである。

 当時はiモードのサービスは開始されいなかったため、私の携帯電話は単体ではメールもWebも扱うことができない。一部の友人は「携帯メールくらい使えるようにしろ!」と言うが、仕事場で1日中インターネットを使っている身には必要性が感じられない。ADSLを導入してからは、余計に必然性が低下してしまった。

 そもそも、私が携帯電話を購入した直接のきっかけは、駅で待ち合わせをする際に北口と南口を間違えて、双方が待ちぼうけになるという間抜けな体験による。実際に使用する機会が多いのはアウトドアで、遮蔽物や遠距離に弱いトランシーバーの代用である。つまり、通話さえできればOKなのだ。地方の通話エリアが他社よりも充実しているドコモを選んだのも、主にアウトドア・ライフのためだと言える。

 日常生活では使用頻度があまりに低いため、呼び出し音が鳴っても自分のものだと気付かないほどだ。一応、カバンに入れて持ち歩いているが、電源を入れ忘れていて「携帯」の意味を成さないことも多い。「かけるときは事前に言ってくれ」と公言する私を、友人達は呆れ顔で見ているらしい。

 アウトドアで使用する関係上、私の携帯電話の扱いは少々乱暴だ。水没こそ未経験だが、雨で濡らしたり、うっかり岩石に激突させてしまったこともある。ポケットから地面に落下させることなど日常茶飯事だ。2年ほど前に液晶画面のカバーに亀裂が発見されたが、機能には支障がなかった。1年前には液晶の左端の1列が無反応になってしまったが、やはり使用には差し支えない。文字や数字が読めれば、それでいいのだ。

 とはいえ、胸ポケットに入れるといささか重く感じられることも否定できないし、単に新しいものが欲しいという煩悩も捨て去ることができない。で、パソコン・ショップで消耗品を購入したついでに携帯電話の売り場にも寄ってみたのだが、私には愕然たるラインナップしか発見できなかった。そう、iモード非搭載の機種は売っていないのだ。店員はiモード契約をしないという手もあると言うが、使わない機能の製造コストを支払うのは納得できない。通話だけなら大画面やカラー液晶は不要だし、低価格で驚異的な連続待ち受け時間が実現できそうに思える。商売的にウマ味が少ないのかもしれないが、マージンを多くしてもiモード機より少しでも安ければいいと思うのだが…。

 その後の私の調査でも、通話専用機に対する潜在ニーズは少なからず存在しているようだ。ひょっとして、キャリアーにはパケット通信料で稼ぐという大方針があって、各メーカーをウラで縛っているのではと疑うのは、私の考え過ぎだろうか。いずれにせよ、私の機種交換は宙ぶらりんだ。何かの統計調査によれば、機種交換までの平均は2年程度らしい。今では失われつつある「壊れたら買い替える」という考え方を守らざるを得なくなった私は、6年前の携帯電話と一緒に周囲から骨董品扱いされる今日この頃だ。

 教訓:買い替えの実行には、必然性か物欲という「動機」が必要だ

●著者:折中 良樹(フリーランス・ライター)
早稲田大学大学院(ロシア文学)中退。角川書店書籍編集部バイト、アスキー出版局契約社員を経て、1990年にフリーとして独立。何となく周囲に流されて、いつの間にか業界の王道を歩んでしまったらしい。近著に「NortonファミリーでMacを守れ!」「Mac OS X & 9 簡単LAN入門」「Mac OS Xのトラブルバスター」「電子メールのトラブル解決Q&A」(いずれも広文社)ほか多数。
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