視点:「無線LAN」---速い・安い・簡単の3拍子を満たしているか?
2002年7月18日
この、なし崩し的に出来上がったLANには、重大な欠点があることが最近になって発覚した。出入り口を横切る4本のケーブルが、掃除の邪魔になるのだ。結果として付近の床は、他の場所に比べて異様に汚くなっていた。何年間も気付かなかったのは真面目に掃除をしていなかった証拠だが、深く追求しないでほしい。
気付いてしまったからには、何か打開策を講じなければならない。ここはやはり「無線LAN」だろう。流行っているし、カッコいいので、衝動的に「欲しい!」とい気持ちもある。ホットスポットだって気になる。
ADSLは実質的には3〜4Mbpsだから、11MbpsのIEEE 802.11bでも問題はないはずだ。念のため知人宅で使ってみたところ、使用感も悪くない。導入は「ほぼ決定」という段階まで来た。
最初の予兆はスピード計測のサイトからだった。局舎からの距離の割には高速な方だという結果だったが、100BASE-TXへの変更を推奨していた。
黄色信号が点滅し始めたのは、単行本の原稿のデイリー・バックアップを行なうようになった頃だ。パソコンのトラブルで数百ページ分の原稿がパーになってはたまらない。以前は外付けのハードディスクにコピーしていたが、最近はLAN経由でサブのパソコンにコピーする方式に変更していた。もちろん、最初のうちは瞬時にコピーが完了する。しかし、書き進むうちにコピーの時間は増大して行く。私の本は図解が多いため、ファイル数もデータ量も膨大だ。とうとう10分を超えるようになってしまった。
これはマズイ。802.11bでは実効スピードが10BASE-Tに劣る可能性がある。バックアップに20分も費やすのは御免だ。だが、より高速な802.11aやgという規格は、まだスタンダードと言える段階ではないので、導入には不安が残る。かといって、ケーブルの問題は解決したい。
最終的に選んだ方法は、100BASE-TXのスイッチング・ハブを2台導入するというものだ。3780円×2=7560円也。ケーブルを交換する必要が無かったので、ずいぶんと安く済んでしまった。掃除の問題は部屋の両側にハブを配置することで事態の改善を図った。これで出入り口を横切るケーブルは1本で済む。更に、そのケーブルを天井経由で引き回したため、まるでコードレス化したようにも見える。パソコンやルーターの設定変更は不要なので、すぐに作業は完了。もちろん、コピーの速度は劇的に向上しているし、床が汚れる心配も解消だ。とは言え、真面目に掃除するようになるかどうかは別問題なのだが…。
教訓:100BASE-TXの有線LANは、「牛丼」である。
●著者:折中 良樹(フリーランス・ライター)
早稲田大学大学院(ロシア文学)中退。角川書店書籍編集部バイト、アスキー出版局契約社員を経て、1990年にフリーとして独立。何となく周囲に流されて、いつの間にか業界の王道を歩んでしまったらしい。近著に「Mac OS X & 9 簡単LAN入門/ちょ〜低予算でMacもWindowsもつながる本」「Mac OS Xのトラブルバスター/強制終了・リセットする前に読む本」「電子メールのトラブル解決Q&A」(いずれも広文社)ほか多数。
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