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「逆転勝訴まで戦う」--日本MMOの松田代表

2002年4月12日
 2002年4月11日、都内でPtoP関係者を集めた講演会「P2Pカンファレンス」が開かれ、インターネット上で提供するファイル交換サービスが著作権などの侵害に当たるとして、東京地方裁判所からサービス停止命令を受けたばかりの日本エム・エム・オー(日本MMO、本社:東京都八王子市)の松田道人代表が演壇に立った。松田氏は、「新規事業者が現れると、商権を奪われると危惧する既存の事業者は、規制・法律・仁義とあらゆる手段を使って新規参入を阻止する。が、新規参入者は古い事業者に対して積極的に自分の商権を主張すべき」との考えを示した。また、今回の東京地裁の判断についても、「逆転勝訴まで戦う」との新たな決意を表した。(以下松田氏の講演の要旨:取材=小川 計介)

逆転勝訴まで戦う
 日本MMOが2001年11月からネット上で提供しているファイル交換サービス「File Rogue(ファイルローグ)」に対し、東京地裁は4月9日、レコード会社19社の著作隣接権(送信可能化権)を侵害しているとの仮処分決定を下した。これは、レコード会社やJASRAC(日本音楽著作権協会)の訴えを認めたことになる。この処分に従って、ファイルローグのサービスは4月16日をもって一時停止することにした。

 ファイル交換サービスは一時停止するが、日本MMOは逆転勝訴するまで、戦うつもりでいる。ファイルローグには著作権管理の仕組みや、課金システムを用意する準備があるためだ。ファイル交換ソフトを使って著作権者の権利を守ることが可能であることを、改めて主張していくつもりだ。

 日本MMOのファイル交換サービスが違法であるとの裁判所の判断が下ったことで、PtoP業界の大きなイメージ低下を招くことになり、PtoP関係者のみなさんには大変な迷惑をかけた。PtoPとファイル交換はそれぞれ異なるが、一般的にはこの2つは同じものと認識されてしまっているのは残念なことでもある。

新規事業者は徹底的に自分の商権を守れ
 今回の裁判沙汰は、ファイル交換サービスを提供する日本MMOと、それによって音楽市場のシェアを奪われると危惧したレコード会社など音楽著作権保護団体との争いである。1つの新市場に対して事業者間で取り合いが起こる場合は、明確な法整備がなされていないケースが多い。

 新市場への参入者は徹底的に自分の商権を主張すべきだ。さもないと既存の事業者が既得権益を盾に、自分達に有利なルールを決めてしまうからだ。今回の件に関して、もし私がJASRACの人間だったとしたら、間違いなく日本MMOを訴えていたであろう。たまたま今回は私が日本MMO、という立場にいたにすぎない。両者ともに、やっていることは正しいと思う。

 日本MMOは特異なケースと見られているが、他業界を見渡すと同様なことは結構起こっている。

 米国では、政府による病原性大腸菌O-157検査強化に対して、食品業界が反発している。一般消費者のためなら、検査をしたほうがいいに決まっているのだが、自分達の商権は変えられないという立場の現れだ。日本でも、大型ディーゼル車の首都高速道路利用税に全日本トラック協会が反発している。

 いずれも、既存の事業者が自分たちの業界の利益を守るために積極的に商権を出張しているのである。私は今回の訴訟の件については、「何をばかげたことをやってるんだ」と多くの人からたしなめられた。インターネット業界では私のような行動は奇異に映ってしまうのだ。

商権無くしてネット業界に未来は無い
 インターネット業界はもっと他の業界に対して、商権を主張すべきだ。そうでなければ、ネット業界としての商権はなくなり、利益は既得業者に吸い取られ、ネット業界は崩壊の道しか残らないと思う。

 世の中のPtoPの動きは止まらない。会社と組織としてのPtoP化も大幅に進むだろう。現場の平社員同士が部署を超えて新規事業を進める。管理職の上司にはCCとして入るというような事業の進め方である。2年後にはPtoPという言葉は当たり前となっていて、逆の意味で死語になっているだろう。
まずは私自身が先陣を切り、ネット業界を変えていくつもりだ。(談)

■関連情報
・「ファイルローグ」のWebサイト http://www.filerogue.net/
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