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“IPv6はすべてを包む大風呂敷”--IIJ技術研究所の山本和彦氏

2001年6月22日
 インターネットイニシアティブ(IIJ、本社:東京都千代田区)は2001年6月20日、次世代のインターネット・プロトコルであるIPv6(Internet Protocol version 6)に関する記者説明会を開き、IPv6の意義やインターネットの将来像を説明した。IPv6の研究開発に一貫して取り組んできたIIJ技術研究所の山本和彦氏に話を聞いた。(聞き手は、武部 健一=BizTech編集部)


BizTech IPv6が普及すれば何が変わりますか。

山本 (慶應義塾大学の)村井純先生が、IPv6を政治家に説明したときに使われた例えを借りると、現行のIPv4がコンピュータなどの通信機器を包む“風呂敷”だとすると、IPv6は“大風呂敷”。IPアドレスの個数が実質的に無限なので、コンピュータ以外にも、家電や自動車などあらゆるものにIPアドレスを付与することができるようになります。例えば、複数の自動車のワイパーにIPアドレスを割り振ってインターネットに接続し、ワイパーの動作状況を収集すれば雨地図が作れます。IPv6が普及すれば、ワイパーの動作状況のように単独ではつまらない情報でもかき集めると価値を持つ情報にすることができるようになるでしょう。こうしたIPアドレスの応用方法に気付いた人がビジネスでも成功すると思います。

BizTech IPv6のアドレスは実質的には無限個ですが、実際は2の128乗個です。2の128乗個といってもなかなかイメージができません。

山本 数字で言うと340澗(かん)で、澗は兆よりももっともっと上の単位です。例えとしては、IPv4の全アドレス(2の32乗個)を1mmとすれば、IPv6の全アドレスは、銀河系の直径の80倍に相当します。

BizTech 日本はIPv6の先進国だと聞きますが、具体的には。

山本 (IIJも参加している産学協同の)「KAMEプロジェクト」や「USAGIプロジェクト」でIPv6の基本ソフトウエアの実装を進めています。これらの成果である基本ソフトウエアのソース・コードはフリーで配布しているので、世界標準となっています。

BizTech IPv6の海外での現状について教えてください。

山本 まず、一部ではIPv6は日本国内だけの独自仕様だという誤解がありますが、そのようなことはありません。IPv6はIETF(Internet Engineering Task Force)でも議論されている国際的な標準です。海外の状況についてですが、アジアでは人口の関係もあってか中国が非常に積極的です。ヨーロッパではフランスや北欧の諸国が積極的。アメリカは以前は無関心だったようですが、最近では熱心に取り組み始めているようです。また、(IPv6の推進を盛り込んだ)森前首相の所信表明演説がEU諸国に影響を与えたようで、IPv6の推進はEUの国家戦略となっています。

山本和彦(やまもと・かずひこ)●IIJ技術研究所 研究員。研究対象は、メール、IPv6、およびセキュリティ。WIDE プロジェクト IPv6 分科会議長、KAME プロジェクトのテクニカルリーダ、メールリーダ Mew のメインプログラマ。著書「リスト遊び」。
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