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パイオニア、HDD内蔵のカーナビ--音楽CDのコピーも可能

2001年5月9日
 パイオニアは2001年5月9日、HDDを内蔵したカー・ナビゲーション・システム「カロッツェリア HDDサイバーナビ」を発表した。市販の音楽CDのデータをHDD内部にコピーして再生したり、地図データをHDDに格納しておき目的の地図を瞬時に表示するなどの機能を持つ。CD/MDやディスプレイ、アンテナなどをセットにしたモデルの価格は31万5000円。発売は6月上旬。月産台数は4000台。

●MP3データを200〜300曲保存、CDなくても音楽が聴ける

 同製品には、音楽CDのデータをHDDにコピーする機能がある。利用者が同製品でCDを再生する際、自動的に音楽データをHDDに格納する。一度CDを再生すれば、2回目からはCDを挿入しなくても音楽を聴くことが可能。HDDは10GBで、うち2GBを音楽データ用領域として確保。データはMP3形式で格納しており、HDDに200〜300曲程度格納できる。オプションで10GBの増設HDD(2万9800円)を用意しており、これを追加すると約1500〜2000曲の音楽を格納できる。曲名などのデータは手動で入力できるほか、米Gracenoteの音楽情報サービス「CDDB」のデータベースをHDD内部に保持しており、邦楽CDを中心にした約15万件の曲については曲名などの情報を自動入力する。

 ナビゲーション用の地図データをHDD内部に格納したことも、同製品の特徴の1つ。DVDに地図データを格納した従来のカーナビでは、地図の呼び出しやスクロール、ルート探索などに数秒の待ち時間が生じていたが、同製品ではこの待ち時間をほぼ解消した。同社によると、地図データの検索速度はDVDカーナビの40分の1まで短縮しており、札幌から鹿児島までのルート探索も1秒以内に完了するという。なお地図データの更新は年1回程度実施する予定で、内蔵HDDを同社に1週間〜10日程度預け、データを書き換えるという方法を採る。

●音声認識で、目的の音楽や地図を取り出し可能

 このほか、従来機と同様に音声認識機能を実装している。HDDに格納した音楽の曲名を利用者が話すとその曲を再生したり、住所を話すとその場所の地図を表示するといった操作が可能。

 標準モデルは2DIN(1DINは幅180×高さ50mm)サイズ。CDドライブとHDDなどを含む1DINのユニット、液晶ディスプレイとMDドライブやFM/AMチューナーなどを含む1DINのユニットに分かれている。各ユニットは単体でも販売し、CDドライブの代わりにDVDドライブを内蔵したユニット、MDドライブを省いたユニットなども併せて発売する。

●「“せっかくだから高いものを”と勧められる製品」--山田常務

 パイオニアの山田昭一常務は製品発表の記者会見で「HDDは地図表示のレスポンスがDVDより圧倒的に速く、DVDカーナビが今まで7秒、5秒、3秒の世界で競争していたのに、HDDは一挙に零コンマ何秒の世界に入って行った。カーナビは一般的には3年程度の周期で買い替え需要が発生するが、HDDカーナビはDVDからの買い替え需要を見込める製品」と、HDDカーナビの性能を評価している。

 セット価格は30万円以上と、DVDカーナビよりさらに高い製品だが「販売店向け説明会では“せっかくだから”という売り文句を提唱したい。この不況の中、ほどほどの性能を勧める販売店が多く、利用者もそういう製品を買う傾向がある。しかしHDDカーナビは『せっかくだから、数万円くらい足していい製品を買いましょう』と利用者に勧められる。そういう出来栄えの製品に仕上がった」(山田常務)と、同製品の販売に強い自信を示した。同社ではHDDカーナビの販売目標ついて、「今後1年間でCDやDVDを含めたカーナビ市場全体の18%くらいの比率を取りたい」(黒崎正謙・モーバイルエンタテインメントカンパニー事業企画部ナビゲーショングループ部長)としている。

 HDDカーナビとDVDカーナビの住み分けについては「DVDは今後、ナビゲーション機能に特化する。ナビゲーションの性能の向上、案内機能の充実、コストの低減などにより差別化することで、どちらも伸ばしていきたい」(黒崎部長)。

●ノートPC用HDDがベース、高温や結露対策など改良加える

 搭載したHDDは、東芝との共同開発。ノート・パソコン用であったATAPI形式の2.5型HDDをベースに開発したもので、元々衝撃には強かったが、高温や結露など車内の温度変化に耐えられるようディスクの材質を変更したり、大きな衝撃でも傷がつかないよう読み書き用ヘッドをディスクから離すなどの改良を加えた。そのほか、CPUやメモリー、グラフィックス・チップなどの部品は、パソコンとほぼ同様のものを使用しているといい、「今回は全くの新規開発であったため、この価格設定がやっとだったが、今後は価格が下がっていくことが考えられる。HDDも安くするよう交渉する」(黒崎部長)。今後は上位機種だけでなく、低価格のHDD搭載モデルもラインアップに加えることを検討しているという。(金子 寛人)

■問い合わせ先
・カスタマーサポートセンター 電話0070-800-818111

■関連情報
・パイオニアのWebサイト http://www.pioneer.co.jp/
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