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火に油注いだ日本生命の「2ちゃんねる」への仮処分申請

2001年5月9日
 日本生命保険は、自社職員の肩書や実名を挙げて誹謗中傷する書き込みがあったインターネット上の掲示板「2ちゃんねる」に対し、書き込みの削除を求める仮処分申請に踏み切った。

 2ちゃんねるは昨年5月の福岡バスジャック事件で犯行予告が書き込まれた掲示板で、時折過激な発言が飛び交うことでも有名。日生側は、「昨秋から当社及び職員を誹謗する書き込みがあり、削除依頼メールや内容証明郵便を送付したが放置されたため今回の措置に至った」(広報部)と説明する。

 だが仮処分申請のニュースが報じられたことで掲示板へのアクセスがさらに増え、日生に対する罵詈雑言がエスカレート。火に油を注ぐ結果となった。

 日生の対応は果たして妥当だったのか?企業の危機管理に詳しいリスク・ヘッジ(東京)の田中辰巳社長は「原因究明が先決」と指摘する。書き込み内容を見ると、単なる悪口・嫌がらせも多いが、中には保険業法で禁止されている他社を中傷する勧誘を受けたとする内容もある。生保破綻が続出した時期だけに、やや強引な勧誘に気分を害した顧客が書き込んだ可能性もある。

 こうした可能性を調査せずに一方的に法的措置に訴えたのだとしたら、確かに顧客の不信を招く。「自社サイトで、反省すべきは反省し、誤解を招いた部分は毅然と釈明・反論する。そして今後の対応策を示し、問題点は問い合わせ窓口へと伝えれば、スマートに解決できたのではないか」。インターネット弁護士協議会代表の牧野二郎氏は言う。

 掲示板の書き込みはとかく暴走しがちだが、敵視するのは得策ではない。「対処法によっては、自社のファンを増やすチャンスでもある」(田中氏)からだ。いずれにせよ、顧客の声を聞く姿勢を示すことが事態打開の第一歩になるのは間違いない。(小林 直樹)
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