Intel/米国癌学会など、世界のPCつなぐ「仮想スーパーコン」で新薬研究
2001年4月4日
「Intel Philanthropic Peer-to-Peer Program」と呼ぶプロジェクトで、インターネットを介した分散コンピューティング環境とピア・ツー・ピア技術を用いる。
この環境を用いることで研究者にパソコンのプロセサ・パワーやハードディスク装置を提供し、大規模なコンピューティング環境を実現する。このプロジェクトでは、数百万という参加者を見込んでおり、その結果50テラFLOPの浮動小数点演算処理能力を持つ仮想スーパーコンピュータを実現するという。現在の最高性能のスーパーコンピュータの10倍の性能が得られるという。
研究プロジェクトはまず、子供の疾病による死亡原因で最も多い白血病の新薬と治療法の研究から始める。この研究の目的は4種の蛋白質について調べること。このうち一つの蛋白質は癌細胞の増殖を抑える働きを持つと考えられることから新薬に利用できる可能性があるという。このため癌細胞増殖の抑制効果があると考えられる数億個の分子を調べる必要があるが、NFCRが計算したところによると、これには最低2400万時間に及ぶ計算が必要になるという。
「このプロジェクトにより、新薬の開発にかかる3〜5年分の時間を短縮できる」(NFCRサイエンス・ディレクターのSujuan Ba博士)。
このプロジェクトには、United Devices社の開発したパソコン・プログラムを用いる。プログラムはIntel社のWWWサイト(http://www.intel.com/cure)からもダウンロード可能である。ユーザがダウンロード後ファイルを開けば、インストールが始まり、インストール終了後にプロジェクトに必要な計算が始まる。プログラムはスクリーンセーバーのようにふるまい、ユーザーがパソコンで作業していないときに動作するように設計されている。一つの処理が終わると(通常は1日後)、プログラムが計算結果をUnited Devices社のデータセンターに送り、次のタスクに必要なデータを要求する。なおユーザのセキュリティとプライバシは保護されるという。
なおIntel社などによると、この研究プロジェクトはIntel Philanthropic Peer-to-Peer Programの第1弾に過ぎず、今後はパーキンソン病や糖尿病の研究も計画しているという。
ちなみにIntel社は2000年8月にピア・ツー・ピア接続の標準化団体「Peer-To-Peer Working Group」を設立しているが、このときUnited Devices社もこれに参加している。詳細は以下の関連記事を参照されたい。
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