このページの本文へ
ここから本文です

アサヒビール参入で発泡酒戦線さらに熱く

2001年2月28日
 「赤い嵐作戦」。2月21日、アサヒビールは発泡酒「アサヒ本生」の新発売に際し、営業担当者2500人に加え、本社や支店の内勤者や工場社員2000人を動員して、量販店の店頭を中心に「本生」が目立つような売り場作りに当たらせた。「本生」のブランドカラーである「赤」で発泡酒売り場を席巻する狙いからこの名前がついた。

 「ビールのまがい物である発泡酒は出さない」と発言してきたアサヒは、転身した理由を「発泡酒カテゴリーが成立したから」と説明する。ビール市場は、ここ数年減少しているが、発泡酒の構成比は年々高まってきている。アサヒは毎年のようにビールの新製品を出しながら、どれも不発に終わった。そこで、伸びている発泡酒市場で挑戦することにしたのだ。

 「本生」は、原料に大麦エキスと海洋深層水を使用することで、これまでの商品に対して消費者が不満を抱いていた発泡酒特有の匂いと雑味をなくし、「すっきり」と「味わい」を両立させたという。「発泡酒のど真ん中」を謳い、今年の販売目標を1500万ケースに置いている。一斉出荷の3日間で150万ケースを受注、2月1カ月間だけで200万ケースは超える見込みだ。

キリンは「大魔神」を起用

 受けて立つ3社では、シェアが50%を超すブランド「麒麟淡麗」を擁するキリンビールがまず動いた。副原料の配合や製造方法を見直した「淡麗」を1月31日から発売している。リニューアルで、味わいがさらに深くなり、すっきりした味に仕上がっているという。

 これまで広告にタレントやスポーツ選手など有名人を使っていなかったが、これを機に米シアトル・マリナーズの佐々木主浩投手を起用。「ブランドの顔を作る」(同社営業本部マーケティング部商品担当チームリーダー・門田浩氏)のが狙いだ。

 1月中旬から2月初旬までの販売量が「前年比6割増で推移している」(門田氏)。キリンは今年、淡麗の販売目標を前年比10.9%増の7320万ケースとしており、予定通りなら基幹商品の「ラガー」の販売目標(7230万ケース)を上回り、キリンのトップブランドにまで成長することを見込んでいる。それだけに、販売数量を落とすわけにはいかない。

 サッポロビールは、新製品「北海道 生搾り」を3月22日に投入する。発泡酒の商品はどれも「生」だが、消費者調査によると「鮮度感」に不満を持つ人が多い。そこで、作りたてのおいしさを感じる商品作りをしたという。パッケージに「生搾り」の文字を大きくプリントすることで、「生」であることを強調している。

 サッポロは、「冷製辛口」「ブロイ」という2つの既存ブランドをコアユーザー向けに展開し、「生搾り」を基幹ブランドに育てる腹積もりだ。年間の販売目標は800万ケースだが、「私個人としては800万では失敗だと思う。1500万ケースはいく商品だ」と営業本部マーケティング部ブランドグループリーダーの谷田成生マネージャーは言う。販促の焦点は発売後1年以上経っても伸びているサントリーの「マグナムドライ」だ。「キャンペーンと広告でブランド力を強化する」(ビール事業部・山田眞二部長)という。既にビールサーバーなどをプレゼントするキャンペーンが始まっている。

 サントリーは今年、ビール事業で黒字化を目論むが、「発泡酒の競争激化で販促費を予定以上に投入することもあり得る。現場には予算は青天井と伝えてある。今年は黒字化にはこだわらない」と佐治信忠副社長は話し、他社相手に一歩も引かない構えだ。

 各社の出荷数量の数字が出揃うのは6月だ。発泡酒のどの商品が消費者の支持を集めたのか、業界の行方を決定づける答えが出る。(今井 丈彦)
ここから下は、関連記事一覧などです。画面先頭に戻る ホームページへ戻る

記事検索 オプション

SPECIAL

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る