【解説】Mac OS XはUNIXの流れを汲む
2000年9月16日
マニュアルを熟読(というほどでもないけれど)したところ、OS Xのインストールには二つの方法があると分かった。一つは従来の環境(Mac OS 9)と同じボリューム(パーティション)に同居させる方法。この場合、従来環境は新たに作られた「MacOS9」フォルダに一括して移される。
もう一つの方法は、別パーティションにインストールするというもので、従来環境には一切手を触れない(実は違うが…後述)と、分かった。つまり後者の方法を取れば、万が一インストールに失敗しても、現状の環境はそのまま残る。ここまで確認してからインストールに踏み切った。事前にあれこれ考えたにもかかわらず、インストール自体はあっけないほど簡単に終了した。以降、その手順を簡単に説明しよう。
インストールCD-ROMを挿入して「C」キーを押しながら再起動すると、CD-ROMからインストーラーが起動する。ウエイティングアイコンは時計カーソルではなく、NEXTSTEP/OPENSTEPと同じ虹色円盤だ。
OS X Public Betaのインストーラーはステップバイステップで作業をこなすウイザード方式になっている。最初にプライマリー言語を選ぶ。ダイアログのテイストは従来のMac OSとはずいぶん印象が違う。違和感の原因の一つはビジュアル要素が少なく、文字で書かれた説明を追っていく必要があるからだろう。インストール先を選ぶ部分でやっとアイコンが登場する。
設問に全部答え終わると、インストールが始まる。最初に20分程度の時間が表示されるが、実際はそれほどかからない。終了したらリスタートする。再起動すると初期設定のウイザードが自動的に起動する。これもインストーラーと同じウィザード方式。以降、文字ボックスとチェックボックスばかりで、ビジュアル要素は極端に少ない。
設定が終わったところで、改めて再起動する。無事起動すると、例のログイン画面が登場する。インストールを始めてからここまで約30分ほど。あっけないほど簡単にインストールは成功してしまった。基調講演でのJobs氏のデモ通りの画面が登場する。Dockはビヨンビヨンして面白いが、ちょっとうっとおしい。
PPPによるインターネットへの接続もなんなく成功。OS自体は英語版だが、特に何も設定しなくてもWebブラウザーやファイル名の日本語を正しく表示する。標準添付のInternet Explorerで日経MACのWebを表示してみると、なぜかレイアウトが崩れるが、日本語自体は正しく表示する。ただ、標準のメーラーで取得した日本語メッセージは半分くらい文字化けしてしまった。Appleの担当者はARENA Projectの柴田さんが書いた解説(日経MAC2000年7月〜10月号に掲載した「いんさいどまっく」)を読んでください。
調子に乗って、Classic環境を起動してみた。記者のシステムはサードパーティー製の機能拡張のてんこ盛りなので、起動は無理だろうと思ったが、「システムフォルダにファイルをいくつか追加する」というメッセージを出した後、意外やアッサリ起動した。カーソル・アニメーターがそのまま動いたのはビックリ。ただ、いろいろClassicアプリを起動したらあえなくクラッシュした。やはり標準環境以外では不安定なようだ。もちろんOS Xはプリエンプティブマルチタスクだから、Classic環境がクラッシュしても他には影響しない。
Classicアプリが完全に使えないとなると仕事にならないし、Classic環境が不安定な原因を探っているヒマもないので、早々にMac OS 9に戻した。ここで判明したのが、システム・フォルダに追加されたファイルがトラブルの原因になる可能性。記者は「BeHierarchic」というコンパネを愛用しているのだが、Mac OS Xが追加する「Apple Menu Options-J」とコンフリクトする。少なくとも記者の場合、常用のMac OS 9環境とOS X環境をシームレスに行き来するのは難しそうだ。
OS X自体は確かに快適だ。Public Betaとしては非常に良くできている。しかし、記者の主観では、操作をする度にどうしても違和感を感じてしまった。この辺のテイストはどこかで体験したなぁと考えていたのだが、Linuxに似ていると気づいた。そういえばインストーラーのテイストもLinux流だ。やはりMac OS XはUNIXの流れを汲むOSなのだ、と実感した次第である。(山田 剛良=パリ発)
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