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【解説】拡張スロットを巡りPalm互換機が衝突

2000年7月12日
 ソニーは、6月27〜29日に米ニューヨークで開催された展示会「PC EXPO」の会場でPalm OS搭載機(以下、Palm機)を初披露した。一方、Palm OSの開発元である米パームは、2001年発売の新機種で拡張スロットに「SDカード」を採用すると発表。拡張スロットで先行する「Visor」をけん制する。

 ソニーは、今回のPC EXPOでの展示を参考出展としており、具体的な仕様や機能、価格、出荷時期などについては、いっさい明言しなかった。製品の名称も決まっていないという。しかし、本体に装備している「ジョグダイヤル」や、メモリースティックなどから、これまでのPalm機にはなかった“ソニーらしさ”が見て取れる。

 本体の左側面上部に配置したジョグダイヤルは、片手で持ったときの操作性を向上させるのに有効だという。画面にメニューを表示させて、選択するのに利用する。「左手でPalm機、右手に携帯電話を持ち、左手でジョグダイヤルを操作してPalm機に表示される情報を参照しながら電話をかける、といった使い方ができる」(PC EXPO会場にいたソニーの説明員)。

 メモリースティックは本体のデータを保存するためだけでなく、ソニーのパソコン「VAIO」シリーズや、メモリースティックを使用するウォークマン、デジタル・カメラ、デジタル・ビデオといったメモリースティック搭載機器との間のデータ交換に利用できるという。ソニーは明確には示していないものの、こうした機器との連携を目指していることから、他社のPalm機に比べて娯楽性を追求した製品になると見られる。

 ただし、こうした外見から想像できる仕様以外については「説明できない」(同)とする場面が目立った。例えば、会場に詰めかけた参加者からの、内蔵モデムや、音楽データのMP3ファイルを再生する機能の有無についての質問には、明確な答えはなかった。

 出荷時期についても同様だ。「米国での出荷時期はサンクスギビング・デイ(11月第4木曜日)前後をメドにしている。日本国内での出荷時期は検討中」(ソニーの説明員)。発売の際には、モノクロの液晶ディスプレイを備えたバージョンと、カラーの液晶ディスプレイを備えたバージョンを出荷するという。

 一方、Palm OSの開発元である米パームは、自社Palm機の拡張性についてアピールした。PC EXPOの初日に、Palm機の拡張スロットにセキュア・デジタル(SD)カードを採用すると発表。2001年初めにもSDカードのスロットを搭載した製品を出荷する。SDカードは、米サンディスクや松下電器産業、東芝などが共同で開発した、切手大のデータ記録用カード。容量32メガバイト、64メガバイトのカードが、2000年6月末から日本でも出荷されている。

 他社のPalm機が備える拡張スロットに関して言うと、6月に日本で出荷を開始した米ハンドスプリングの「Visor」は「Springboard」と呼ぶ独自スロットを、7月下旬に登場する米TRGプロダクツの「TRGpro」はTypeI/II対応コンパクトフラッシュ用スロットを備える。ソニーのPalm機はメモリースティック用スロットを採用する。3社は米パームにとって、Palm OSの供給先であると同時に、Palm機市場でのライバルでもある。パームは今回のPC EXPOでSDスロットの採用を発表すると同時に、サード・パーティにSDカードに搭載するアプリケーションや拡張機能の開発を呼びかけた。電子ブックや地図、MP3形式の音楽ファイル・プレーヤ、Bluetooth規格による無線接続カードなどの開発が予定されているという。 (玉置 亮太)

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