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【COMDEX速報】「ネットワーク時代」の主役は通信を利用するデジタル家電--ソニー出井社長が講演

1999年11月16日
 「COMDEX/Fall'99」の初日である11月15日(米国時間)、ソニーの出井伸之社長が日本人として、また家電メーカーのトップとしても初めて基調講演を行った。講演には豪華ゲストも参加した。

 この中で出井社長は、「デジタル化の流れが進むと、パソコンだけでなく家電がインターネットをどんどん利用するようになる。また、無線でデジタル家電同士が通信したり、高速通信で音楽やゲーム、映画を家電で楽しめるようになる」ことを強調した。

 消費者が家電製品を使って通信を利用することが当たり前になる社会---出井社長はそれを「Network Era(ネットワーク時代)」と名付け、その実現にはAV家電メーカー、コンテンツを持つメディア企業として実績あるソニーが優位であると自信を示した。

音楽ネット配信を端末と著作権保護の両面からサポート

 ネットワーク時代の第一世代の製品として出井氏がまず挙げたのが、同社の次世代メモリー規格「メモリースティック」を使った音楽プレーヤー「メモリースティックWalkman」だ。この日、ゲストとして招かれたギタリストSteve Vai氏の生演奏を録音し、メモリースティックWalkmanですぐに再生して聴衆に聞かせた。

 また、パソコンとUSB経由で接続し、楽曲を内蔵メモリーに転送、保存する音楽プレーヤー「VAIO Music Clip」を発表した。


メモリースティックWalkmanを披露する出井社長。ロックギタリストSteve Vaiの生演奏を録音し、再生してみせた


 さらに出井氏はネット音楽配信では不可欠な著作権保護システムについても、マイクロソフト、IBMなど7社と技術供与、相互利用について合意したことを明らかにした。

 また、ミニディスク(MD)を使ったデジタルビデオカメラも披露した。このカメラは映像をMPEG2に変換し、同社が開発したMDデータ2ディスクに記録する。ディスクを使ったことで撮影した素材にランダムなアクセスが可能で、素材同士をつなぎ合わせる編集作業も簡単に行える。

 操作はタッチパネルに触れることで進めることができるが、ここで使われていたのがSun MicrosystemsのPersonal Javaだ。同社の共同設立者Bill Joy氏がゲストとして壇上に上り、HAViやi.Linkなどネットワーク機能を持つデジタル家電機器にJavaの技術を利用していく。

PS2はインフラ、通信が新たな可能性を広げる

 聴衆の関心といえば、プレイステーション2(PS2)だ。SCEアメリカ社長のHirai katsuo氏は、プレイステーション2は「音楽」「ゲーム」「映画」などエンターテイメントのインフラになると説明した。デモでは開発中のカーレースゲーム「グランツーリスモ2000」などが実演され、感嘆の声が漏れた。現在、250タイトルが開発中であるという。

 講演の中で出井氏は、ネットワーク時代を実現するには、通信が重要であることを何度も強調した。VAIO C1で出井氏を撮影し、画像をホームページ上にアップロードする作業を無線で行い、その便利さをアピールした。さらにメモリースティックと同じ形状の短距離通信技術「Bluetooth」受信機を披露し、メモリースティック用のソケットのある家電機器に通信機能を簡単に追加できるようにする(これらの総称は「Info Stick」、2000年末に出荷する予定)。

 プレイステーション2でソニーが強調したのは高速通信である。プレイステーション2は、64ギガFLOPS(フロップス)のグラフィック処理性能を持ち、現在のワークステーションの能力を遙かに超える。ネットワーク機能を持つため、ゲームや音楽、映画などのコンテンツをネット経由で入手することも可能だが、それには高速通信の整備が不可欠だ。

ハイビジョン・カメラで作るスターウォーズEpisode2、3

 最後のゲストとして登場したのが映画監督George Lucas氏だ。今年、5月に全米で公開された「スターウォーズ Episode1」が大ヒットしたことは記憶に新しいが、実はこの映画では映画産業を大きく変える可能性がある実験が行われていた。限定された映画館だけだが、次世代ディスプレイDLPを使って上映された。つまり映画をフィルムではなく、デジタルで上映したのだ。現在のフィルムが使われなくなると、配給の方法も大きく変わる。

 Episode1ではフィルムからデジタルに変換したものを上映したが、「Episode2以降はソニーとPanavisionが開発したデジタル・ハイビジョン・カメラを使う」(Lucas氏)という。


会場は大きな拍手でGeorge Lucas氏を迎えた。握手する二人の後ろに写っているのが、スターウォーズシリーズで使われるデジタル・ハイビジョン・カメラ


「ネットワーク時代」実現のために全方位で取り組む

 「ネットワーク時代」には三つの方向性があると出井氏はいう。一つはパソコンをベースとする電子商取引、第二に無線と高速通信。最後がパソコン以外のデジタル家電による利用。出井社長は、「ネットワークの普及の仕方は国によって異なっており、それぞれを得意とする国が持つ技術やノウハウを提供し、融合していくことがネットワーク時代の実現では重要だ」という。広範囲な提携や協力関係をソニーが積極的に推し進める理由もそこにあるようだ。

 さらに出井社長は、ソニーはCOMDEXだけでなくCES(家電分野)、NAB(放送機器分野)、SIGGRAPH(コンピュータ・グラフィックス)、E3(ゲーム関連)、Western Cable Show(通信関連)などの展示会、アカデミー賞に参加していること、エレクトロニクス技術と映画・音楽などのコンテンツ、さらにはゲーム機を持つユニークな企業であることを強調し、同社がネットワーク時代に大きな役割を演じるポジションにいることをアピールした。

 出井社長は最後にソニーのCIである「デジタル・ドリーム・キッズ」を引き合いに出し、「ソニーに夢を感じますか? もしそうなら、夢を持ち続けてください」と講演を締めくくった(武内太一=ラスベガス)。

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