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トップページ > AGING INNOVATOR 超高齢社会対応の先駆者たち > お金、医療、法律の3分野で 互いの強みを活かして人の一生をサポート 第2回

プロフィール

ビスカス代表取締役
八木 美代子 氏
ビスカス代表取締役、相続コーディネーター。
早稲田大学教育学部卒業後、リクルート入社。
1995年に税理士紹介のビスカス設立。
2010年に相続に強い税理士のみを集めたサイト、相続財産センターを設立したほか、
2013年、老人ホーム紹介事業「みんなの老人ホーム」
2014年、会計事務所向けの人材紹介事業「人材スカウト」などに取り組んでいる
●著書
「相場の相場55例」(2012年 ダイヤモンド社)
「相続、いくらかかる?」(2014 日経BP社)
Good Doctor NET メンタルヘルスとリワーク
 

お金、医療、法律の3分野で
互いの強みを活かして人の一生をサポート

第2回(2回連載)

構成:21世紀医療フォーラム取材班 但本結子
文責:日経BP社 21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也
2014/08/19

1995年、企業の経営者や個人に対し、税理士を無料で紹介するビジネスモデルを日本初で立ち上げ、20年で10万件以上のマッチングを実現してきたビスカス。この新たなビジネスモデルを核に、2010年に相続に強い税理士だけを集めた「相続財産センター」、2013年に老人ホーム紹介事業「みんなの老人ホーム」、2014年に会計事務所向けの人材紹介事業「人材スカウト」を開始するなど、ベンチャー企業としての挑戦をし続けている。

2回連載の2回目は、同社代表取締役の八木美代子氏に、老人ホーム紹介事業設立の経緯や目的、課題などについて、お話を伺った。

高齢者も家族も安心して選択できる
介護施設の評価基準を示したい

日本は超高齢社会を前に、さまざまな問題を抱えています。特に近年では認知症患者の増加が懸念され、相続対策においても多くの課題があると思いますが、いかがでしょうか。

八木 相続のご相談は、どうしても亡くなった後になりがちですが、税理士側からいえば、やはり生前から備えていただくことが節税対策になります。ところが、これをいくら訴えてもなかなか浸透しないのが現状です。

一方で、実際のお問い合わせの中で増えているのが、親を老人ホームに入れるか迷っていて、いいところを知らないかというご依頼です。特に、昨年までは親が老人ホームに入所した場合、小規模宅地の特例が適用できない税制があり、これに絡めて、どのような施設がいいのか、お勧めの施設はあるかといったご相談が増えました。

こうしたご要望と生前対策が浸透しないことを合わせて考えたとき、医療や介護の現場の声を吸い上げた方が将来的な相続マーケットを獲得できるのではないかと思いました。そこで、現場を知るために、デイサービスを手がける知人に協力してもらい、現状をリポートしてもらったのです。

そのリポートでどのようなことがわかりましたか。

八木 認知症で家族の顔がわからなくなっている方、デイサービスに通わせるご家族の気持ち、ハードな仕事なのに安い給与で、モチベーションを保てなくなっている働く人たちの思いなど、現場のリアルな問題を知ることができました。

そこで立ち上げられたのが、サイト「みんなの老人ホーム」ですか。

八木 2013年からオープンしましたが、それ自体が目的ではなく、医療や介護の現場から早めに相続のニーズをつかむことと、生前対策の啓蒙活動も兼ねています。

今後はこのサイトをどのように活用していくお考えてですか。

八木 相続のマーケットで当社がイニシアチブを取るためには、介護施設を探す際に本人や家族に必要な情報は何か、本人は遺言書を書いたのか、あるいは書き方はどうするのかといった細部にわたってのサービスの提供が不可欠です。そこで、まず取り組むべき課題の1つは、介護施設の評価基準を明確にすることです。施設がクリアした基準、提供できるサービス、介護する人材についてなど、ユーザーに対して明確に提示したいと思います。

また、地域のケアマネジャーさんたちにも参加していただいて、専門家から見た別の評価も入れられれば理想です。ただし、ここで間違えてはいけないのは、この評価基準が単純な施設のランキングになってしまわないようにすることです。先のレポートから得た中に、高齢者の方が施設に入ってから元気がなくなったり、認知症が進んでいったり、家族もどんどん投げやりになる施設がいかに多いかということも知りました。施設に入ったら不幸が始まるのではなく、入ってから亡くなるまで幸せな道を歩んでもらうための施設であることが大前提です。

これまで介護施設も閉鎖的で、税理士業界と同様、比較されたことがありませんでした。その比較できないところを“見える化”し、入った後の生活が入る前からわかるようになれば、高齢者も家族も安心して選択することができます。

(構成:21世紀医療フォーラム取材班 但本結子 
文責:日経BP社 21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也)

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